研究課題/領域番号 |
20K06356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
若松 純一 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (30344493)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食肉製品 / 色 / 亜鉛プロトポルフィリンIX / 微生物 / 細菌 / 乳酸菌 / 安全性 / 発色剤 |
研究開始時の研究の概要 |
ZnPP産生細菌を用いた発酵食肉製品の色調改善技術を開発するために、高ZnPP産生能を有する可食の細菌を発酵食品や分譲菌株の中から探索し、高ZnPP産生能を有する可食細菌をスターターとして用いた発酵乾燥食肉製品を製造して色調改善効果や官能的評価を行う。さらには、スクリーニングした細菌が食肉共存下での高いZnPP産生能を発揮するメカニズムを解明するとともに、無菌食肉を用いない簡便な評価法の開発を行い、より有効な微生物の探索のための基礎的知見を得る。
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研究成果の概要 |
亜鉛プロトポルフィリンIX(ZnPP)は発色剤無添加生ハム等で無菌的に形成される鮮赤色色素だが、微生物によっても産生される。食用グレードのZnPP形成微生物を探索したところ、多くの微生物は嫌気的条件下でのみZnPPを形成したが、好気的条件下でも多量のZnPPを産生する乳酸菌を見出した。ドライソーセージに接種したところ、色調改善効果に優れていることが確かめられた。形成機構を検討したところ、食肉中の酸素で阻害される段階をバイパス的に補う効果を有することが示唆されたが、食肉内では当該乳酸菌の生育中の代謝作用が必要であることと、迅速に生育させて優勢になるような製造条件が必要であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発色剤はボツリヌス菌の生育抑制や風味の醸成、不快酸化臭の抑制など様々な効果があるが、酸性条件下でアミンやアミド類と反応してN-ニトロソ化合物などの発がん性物質を形成することから、発色剤を嫌う消費者が存在する。伝統的乾塩漬生ハムで特異的に形成される亜鉛プロトポルフィリンIX(ZnPP)は安定で鮮やかな赤色色素であり、発色剤を使用しない無塩漬食肉製品の色調改善に期待でき、発色剤の危険性を危惧する消費者にも安心な食肉製品の提供を可能とする。
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