研究課題/領域番号 |
20K06358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小倉 振一郎 東北大学, 農学研究科, 教授 (60315356)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 放牧牛 / 植物種多様性 / 採食植物 / ルーメン / 微生物群集構造 / 消化機能 / in vitroルーメン消化 / 微生物叢 / 次世代シーケンサー / 揮発性脂肪酸 / 植物多様性 / ルーメン消化 / ルーメン微生物叢 / 採食植物種 |
研究開始時の研究の概要 |
野草や木本の多くは牧草にくらべ栄養価が低いことから,家畜生産性が低いとみなされることが多い。しかし申請者は近年「植物種数が多い植生では家畜が様々な植物種を摂食することにより,ミネラル等の養分摂取バランスが向上する」可能性を示唆する知見を得た。本研究は,野草地や林地等に生育する在来植生の高度利用と,それら植物の栄養学的機能開拓を「ルーメン」を軸として展開する。植物種数が異なる放牧地で反芻家畜を飼養し,摂食植物種とその飼料特性およびルーメン内性状をフィールド試験で評価するとともに,ルーメン内環境(微生物叢解析,緩衝能測定)およびルーメン内消化能(微生物量測定,in vitro消化試験)を解明する。
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研究成果の概要 |
放牧家畜の採食植物種の多様性がルーメン内細菌群集とルーメン内消化機能に及ぼす影響を検討した。植物種が多様な山地放牧地におけるウシの採食植物種は、イネ科牧草地にくらべ初夏、秋ともに多様であった。ルーメン内細菌群集構造は両季節とも放牧地間で異なり、固相では初夏、秋ともに、液相では秋に、山地放牧地で多様度が高かった。またIn vitro消化試験の結果、樹葉の消化性は初夏に山地放牧地で高く、セルロース分解菌が多く検出された。また、培養後の細菌叢は放牧地間で異なっていた。放牧牛の採食植物種の多様性の違いに伴うルーメン細菌群集構造の違いはルーメン消化機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、植物群落における植物種の多様性→放牧反すう家畜の採食植物種の多様性→ルーメン内微生物叢の多様性との関係性が明らかとなり、さらにルーメン内消化機能の向上(樹葉の消化性向上)が示唆される結果を得た。日本は植物資源が豊富であるが、一方で中山間地域を中心に耕作放棄地や管理放棄地が増加しており、その再活用と産業の活性化が急務である。本成果は、これらの放棄地をウシ等の草食家畜の放牧によって省力的かつ低コストで利用することを推進するものであり、将来これらの放棄地の管理と農畜林業の活性化に貢献すると考えられる。
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