研究課題/領域番号 |
20K06360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 幹 東北大学, 農学研究科, 教授 (20250730)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 採卵鶏 / リポ蛋白代謝 / リポ蛋白 / 暑熱 |
研究開始時の研究の概要 |
採卵鶏は暑熱環境下で飼育すると、飼料摂取量が低下することで産卵率が低下し、卵生産が減少するとされていた。しかし、近年の改良された産卵鶏は、暑熱環境下でも、飼料摂取量、体重、卵重は減少するものの、産卵率は低下しない。よって、この卵生産補償機構を明らかにすることができれば、少ない飼料エネルギーでの効率的な卵生産や、卵重の制御が可能になると考えた。そこで、本研究では、卵黄の本体であるリポタンパクの観点からこの機構を解明し、それを通常環境下で誘導する手法を開発する基盤研究を行う。
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研究成果の概要 |
近年の改良された産卵鶏は、暑熱環境下でも、産卵率は低下しない。よって、この卵生産補償機構を明らかにすることができれば、少ない飼料エネルギーでの効率的な卵生産が可能になると考えた。本研究では、リポタンパクの観点からこの機構を解明し、それを通常環境下で誘導する基盤研究を行った。その結果、摂取量が減少する暑熱環境下ではコレステロール代謝の維持とトリグリセリド代謝の低下によるリポ蛋白粒子の変化が起こると同時に、卵胞膜の卵黄前駆物質取り込みが活性化し、産卵率を維持していることが明らかとなった、一方、リポ蛋白の粒子径の変化のみでは産卵の効率化には至らないことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は近年の改良された産卵鶏の暑熱応答を実験系として、卵生産におけるもっともエネルギーを使用する卵黄の蓄積の効率化を図る基盤的研究である。本研究の成果により、卵生動物である鳥類の卵黄の主要成分であるVLDLyの粒子径調節による新たな脂質取り込み制御機構の存在が明らかとなった。さらには、暑熱環境下では卵胞膜における脂質取り込みが活性化され、産卵を維持する機構が存在することを証明した。さらには、卵黄前駆物質であるVLDLyの粒子径を人為的に変化させることが可能であることを示した。この成果は、鳥類の比較生化学的な特徴を世界で初めて示しただけではなく、将来の卵生産の効率化に寄与するものと期待される。
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