研究課題/領域番号 |
20K06362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
濱野 光市 信州大学, 農学部, 特任教授 (70303443)
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研究分担者 |
高木 優二 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (20226757)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 精子 / 走温性 / ウシ / カルシウム / 受胎率 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、畜産現場ではウシの受胎率が低下し、改善が急務とされている。泌乳量や肉の霜降りの高度化など様々な要因が指摘されているが、その原因は不明である。解決に向けた取組みとして精子や卵子の生理機能に着目した研究が進められている。申請者は受胎率の改善には温度変化に応じた精子の運動性の評価が必要と考えている。精子は雌生殖道内の温度勾配を認識し、低温域の子宮から高温域の卵管に移動する走温性を発現する。そこで、温度依存的カルシウムチャネルを起点とした精子の走温性に関わるカルシウムシグナル伝達機構を解明し、受精能獲得率を高めることで、効率的なウシの増産を可能にする突破口にする。
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研究実績の概要 |
本研究では、精子の走温性における運動調節とカルシウムシグナル伝達機構を調べることにより、①走温性発現精子の運動調節機構が解明できる。②走温性を指標にした精子の受精能、雄ウシの繁殖能力が評価できる。③繁殖能力の高い雄ウシが選抜され、効率的にウシを増産できる。 2020~2022年度、本研究は以下のことを明らかにした。温度勾配(勾配)区の低温域から高温域に移動する精子を確認し、ウシ精子における走温性の発現を明らかにした。走温性発現精子の運動性を解析し、低温域において鞭毛角度を増大し、軌跡速度を低下しながら高温域に移動することを明らかにした。勾配区の精子のカルシウムイオン濃度(Ca)は、5秒後に上昇し、10、20、30秒後では温度一定(一定)区と比べ有意に高かった。勾配区の精子の5、10、20、30秒後のCaは0秒と比べ有意に高かった。勾配区のTRPV3チャネル促進、TRPV4チャネル促進処理精子の高温域への移動能、VAP、尾部屈曲率は、低温域より有意に高かった。高温域のTRPV3チャネル促進処理精子のVCL、尾部打頻度は有意に高く、LINは有意に低かった。走温性発現精子の運動性の変化におけるTRPVチャネルの関与が示唆された。勾配区の超活性化運動精子は粘性培地において高温域への移動能が高く、走温性の発現が確認され、粘性培地に適応し運動性を変化する可能性が示唆された。 2023年度、本研究は以下のことを明らかにした。除膜精子は接着割合が高く、一定区、勾配区における運動性検査が困難なことから、走温性発現部位を解析できなかった。勾配区のCTC染色走温性発現精子の受精能獲得率は、高温域において高い傾向にあった。勾配区から回収後の精子は、運動性が低く体外受精に供試できなかった。ヤギ精子における走温性の発現を明らかにした。
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