研究課題/領域番号 |
20K06365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
舟場 正幸 京都大学, 農学研究科, 教授 (40238655)
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研究分担者 |
松井 徹 京都大学, 農学研究科, 名誉教授 (40181680)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 畜産学 / 栄養学 / シグナル伝達 / ヘプシジン / ウシ |
研究開始時の研究の概要 |
肉牛の鉄代謝は特徴的である。哺乳子牛は貧血に罹患しやすく、また、離乳以降の肉牛は鉄過剰に陥りやすいと考えられる。マウスやヒトでの知見を基に、全身の鉄代謝はヘプシジンによって調節されていることが明らかにされている。研究代表者らは、ウシの鉄代謝調節を理解するうえで、マウス・ヒトの知見は適切ではないことを示唆する知見を得ている。本研究は、肉牛を使った動物試験、ならびに、細胞培養試験を通して、ウシのヘプシジン発現制御とマウス・ヒトのそれと異なる点を明確にし、ウシ固有のヘプシジン転写機構解明を目的とする。本研究結果は、学術的知見を提供するだけでなく、健康な肉牛生産に向けた基盤情報を提供する。
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研究成果の概要 |
ヘプシジンは鉄恒常性維持を担う肝臓由来ホルモンである。本研究は、ウシヘプシジン発現の特徴を動物実験ならびに細胞培養試験から検討した。新生子牛にみられる貧血は鉄補給によって改善されたが血漿ヘプシジン濃度は鉄補給によって変化しなかった。肥育牛の血漿鉄濃度はビタミンA制限により高値を示したが肝臓でのヘプシジン発現は変化しなかった。ウシSmad4 mRNAの安定性は低く、その結果としてSmad4タンパク質発現が低いことが原因でヘプシジン遺伝子は転写されにくかった。また、PPARsはウシヘプシジン転写を促進すること、MITF/TFEはマウスヘプシジン転写を促進することが明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄恒常性は健康維持上重要である。ヘプシジン発現制御を通して鉄恒常性は維持される-鉄栄養の変化に応じてヘプシジン発現の増減は起こる-ことがマウスやヒトでの知見から明らかにされている。本研究において、ウシヘプシジン発現は鉄栄養状態の変化に鋭敏には応答しないこと、その理由の一つとして、ヘプシジン転写を促進するSmad4の発現制御がウシで特徴的であること、ウシヘプシジン転写を促進する新規の因子を明らかにした。本研究結果は、マウスやヒトでの知見は必ずしもそのままウシに適用できないことを明示している。
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