研究課題/領域番号 |
20K06367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松浦 晶央 北里大学, 獣医学部, 准教授 (50406899)
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研究分担者 |
菊 佳男 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (70370179)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 動物介在介入 / 与那国馬 / 動物介在療法 / セラピーホース / 被毛中コルチゾール / 曳き馬時の行動 / ウマ |
研究開始時の研究の概要 |
日本のウマ総飼養頭数74,000頭のうち小格馬はわずか2,400頭とされる。急速な少子高齢化が進む中、子供の情操教育と高齢者の認知機能向上などを目指すウマ介在療法への期待は高まり、安全な小格馬の社会的需要が急速に高まっている。本研究は、わが国の生きた動物資源である与那国馬そのものの長所と優れた選抜法を応用して、小格馬から従順なセラピーホースを選抜する技術を確立するものであり、6000年の歴史をともにしてきたウマという家畜の存在価値を再び飛躍的に高めるものである。
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研究成果の概要 |
ウマ介在療法用のセラピーホースは、性格が穏やかかつ人に従順で、体高の低い小格馬が望ましい。与那国馬は海中ホーストレッキングに活用され、動物行動学的に理にかなった方法で調教されている。 海中トレッキング(S)群と陸上トレッキング(F)群について行動・生理面から比較した結果、見知らぬ人に触られた際の呼吸数の変化量はS群でF群よりも高く、S群は予想に反してストレス耐性が低かった。海中では跳ねるや蹴るなどウマの危険な行動が抑制されるうえ、落馬事故の心配もない。海中トレッキングは扱いにくいウマでも有効利用可能な活用法であり、動物にとっても望ましい乗馬療法の一形態となり得ることが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究開始時点では、与那国馬は海中ホーストレッキング用のトレーニングを通して高い従順性をもつように調教あるいは選抜されていると考え、小格馬の中からセラピーホースとして高い適性をもつ個体を選抜する手法の開発を目指していた。しかし本研究の結果、海中ホーストレッキング用の調教を受けた個体は安全に活用されているものの必ずしも扱い易いウマではないことが分かった。温暖化がますます深刻になるなか、海中ホーストレッキングはウマの利活用を大幅に拡大し、暑熱ストレスの軽減にもつながるため、人にも動物にも優しい乗馬療法の一形態となる可能性が見出された。
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