研究課題/領域番号 |
20K06374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
木村 直子 山形大学, 農学部, 教授 (70361277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 原始卵胞 / 卵巣 / 生殖能 / 新生仔 / マウス / 生殖寿命 / オートファジー / 卵形成 / in vitro卵子形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、周産期の仔の生理的変化に注目して開発した生殖能の異なる4種の原始卵胞数増加モデルマウスの新生仔初期卵巣について、形態学的・分子学的に比較解析する。さらに生涯生殖能との相関から、原始卵胞の形成促進と維持に重要な形態学的特徴と、その制御に関わる主要分子とその経路の同定を目指す。得られた候補分子は vitro卵子形成に応用し、培養系の高度化を目指す。本研究で用いる生体制御法は、発生工学技術を適用できない希少雌動物種の生殖能の改善や卵子の安定確保のみならず、産業動物では 原始卵胞数の増加による卵巣機能の強化・維持を通じて、受胎能や生殖寿命の向上にも寄与するものと考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、申請者らが開発あるいは見出した4種の原始卵胞数増加マウスモデルについて、新生仔卵巣の形態学的・分子学的な動態の解析と、性成熟後の生殖能との関連性を明らかにし、原始卵胞の形成促進と維持の制御に関わる主要な分子とその経路の特定を目指した。D11投与あるいはxCTKOマウスは、性成熟後も高い卵巣予備能と妊孕能を維持する一方、IFX投与およびDEX投与マウスは、性成熟後までには対照区と差がなくなることが明らかとなった。D11投与による原始卵胞数の増加は、シスト内優勢卵母細胞数の増加、卵母細胞の生存性の向上が関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、詳細不明な原始卵胞の形成過程と維持の分子機構について、周産期の仔体内の生理的変化に注目した4種の原始卵胞増加モデル動物の解析により解明し、その制御技術の開発を目指している。新生仔期の短期間の薬剤投与による原始卵胞プールの上方制御は、成長過程で薬剤毒性評価が可能で、ゲノム編集や発生工学技術を用いないため、産業動物への応用では倫理面や安全性のハードルが低いものと考えられる。また発生工学技術適用外の希少動物種雌の生殖能の改善や、卵子の安定確保が期待できる。生体投与で薬剤スクリーニング後、in vitro卵子形成の培養系でそれを検証し、培養系の高度化に効率的に繋げられる点も有益と考えられる。
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