研究課題/領域番号 |
20K06378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
山中 賢一 佐賀大学, 農学部, 准教授 (40572920)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 体外受精 / 小胞体ストレス / ウシ / 胚発生 / OPU / 凍結保存 / オートファジー / 経腟採卵 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ウシにおいて雌雄の特定優良個体からの子畜増産、育種改良の促進を目的として、経腟採卵(OPU)法により採取した卵母細胞を体外受精(IVF)して得られた胚を用いた子牛生産の普及が推進されている。しかしながら、IVF胚の受胎率は新鮮胚の移植であっても体内受精胚と比較すると低く、その普及にとって大きな障害となっている。 そこで、本研究では、タンパク質代謝機構と胚発生能との関係を詳細に調べるとともに、得られた知見を利用した高発生能を有するIVF胚の生産系を確立することで、OPU‐IVF胚の受胎率向上に寄与することを目的とする。
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研究成果の概要 |
タンパク質修飾過程で引き起こされる小胞体ストレスを制御することによりウシ体外受精胚の発生能を向上させる生産系の確立を目指した。小胞体ストレス関連遺伝子の発現解析により体外成熟および初期の胚発生ステージにおいて小胞体ストレスが顕著に誘導されていることが明らかとなった。この結果をもとに小胞体ストレス抑制条件を最適化することにより体外発生率だけでなく、凍結融解後の生存性も向上させることに成功した。加えて、生体由来の卵母細胞においても本法により発生能の向上が確認され、現場レベルでの応用も可能であることが示された。これらの結果は、ウシ体外受精胚を用いた子牛生産の効率化に寄与することが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胚発生過程といった特殊な時期における小胞体ストレスによる影響は不明な点が多く、その一端を明らかにした本研究の成果は学術的意義があるといえる。また、体外受精胚からの子牛生産の需要が国内外を問わず増加している。しかしながら、体外受精胚は体内胚と比較すると耐凍性も低く、移植した場合の受胎率も10%程度低いことが問題となっている。このような状況において、生産現場での適応が可能な今回の成果は、実社会での課題解決のための一助となり、その社会的意義もあるといえる。
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