研究課題/領域番号 |
20K06385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
林 憲悟 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (70563625)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ウシ / 子宮内膜 / トロンボスポンジン / 妊娠 / 受胎性 / 子宮 / 受胎 |
研究開始時の研究の概要 |
ウシの着床と妊娠の成立には、着床前の子宮内膜の血管系が密接に関係している。本研究は、主要な血管新生抑制因子であるトロンボスポンジン(TSP)ファミリーに着目し、TSPに制御されるウシの子宮内膜機能と受胎性との関連を明らかにすることを目的とする。妊娠早期の子宮内膜において、「血管新生の抑制状態を解除する」ことで血管新生を起こり易くする状態になることが、早期胚死滅を防止し妊娠成立に向けた本質的な変化であると仮説し、TSPの血管系を介した間接的制御機構に加え、胚と子宮細胞のクロストークにおける直接的な制御機構について、組織培養系やウシ生体を用いた解析により包括的に検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、主要な血管新生抑制タンパク質であるトロンボスポンジン(TSP)に着目し、ウシの妊娠初期や長期不受胎に伴う子宮内膜機能の改変におけるTSPの生理的役割を明らかにすることを目的とした。その結果、TSPは胚と子宮内膜間の相互作用により、栄養膜細胞と子宮内膜上皮細胞の接着や栄養膜細胞の浸潤といった、着床に伴う子宮内膜の組織リモデリングや胎盤形成の開始に関与している可能性が示された。さらに、長期不受胎牛の子宮内膜では血管新生が抑制状態にあることが明らかとなり、子宮内膜における適切な血管系の構築が、子宮機能の変化による牛の妊孕性と密接に関連している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、雌牛の受胎機構において、主要な血管新生抑制因子であるトロンボスポンジン(TSP)による子宮内膜血管系の制御および着床に伴う組織再構築の調節因子としての関与という新たな概念が裏付けられた。さらに、子宮内膜におけるTSPの発現動態が長期不受胎牛を摘発するための新たな指標として有用である可能性が示され、TSPを指標とした子宮内膜機能の評価による受胎性の評価法や長期不受胎化の予察法等、雌牛の生産効率改善に資する技術の開発のための基盤的知見を提供する。
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