研究課題/領域番号 |
20K06387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
田上 貴寛 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (60355104)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ニワトリ / 始原生殖細胞 / 性分化 / 配偶子分化 / 遺伝子発現 / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
鳥類において生殖細胞の性染色体型が配偶子形成に与える影響を解明する。そのために、ニワトリ始原生殖細胞(PGCs)をドナーとして同性または異性の宿主胚に移植した生殖系列キメラニワトリを作出する。同性または異性の生殖巣中でPGCs由来の生殖細胞が発現する遺伝子を比較し、配偶子形成を促進あるいは阻害する可能性のある候補遺伝子を選定する。その候補遺伝子については、ゲノム編集技術を用いて遺伝子を欠失させたニワトリを作出して遺伝子機能を明らかにする。最終的には、生殖細胞の性染色体型の違いが配偶子形成をコントロールするメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
雄に移植された雌始原生殖細胞(PGCs)は雌特異的性染色体であるW染色体を有する運動能を有する精子は生産されるが、受精は困難であると考えられた。一方、雌に移植された雄PGCsは卵巣において正常卵胞へは分化できず、変性した白色の組織を形成していた。 孵化前の異性胚中のPGCsにおける発現遺伝子を解析した結果、孵卵9日目および19日目の雄生殖巣内の雄PGCsにおいて高発現するA遺伝子は、雌胚に移植された雄PGCsおいてはほとんど発現が無いことがわかった。A遺伝子が孵化前の生殖巣内生殖細胞で発現するためには、個体と生殖細胞の性が一致して雄であることが重要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生殖細胞の分化における細胞自身の性(性染色体)の影響についてはほとんど解っていない。本研究によるPGCsが同性または異性の生殖巣内で発現する遺伝子の網羅的解析は、生殖細胞自身の性が配偶子形成に与える影響を明らかにする上で学術的に重要な基礎的知見となる。また性の組み合わせにより発現が変化する遺伝子が配偶子形成に重要である場合、ゲノム編集技術等でその遺伝子発現量をコントロールすることにより、異性由来のPGCsを受精可能な配偶子に分化誘導できる可能性がある。家禽は産業形態により必要な性が異なるため、ニワトリの性比をコントロールする技術への応用が期待できる。
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