研究課題/領域番号 |
20K06388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
都築 圭子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (30364251)
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研究分担者 |
藤田 直己 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10554488)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 犬 / 角膜上皮細胞 / 骨髄脂肪細胞周囲細胞 / 肝細胞成長因子 / 角膜再生 / 犬角膜上皮細胞 / 角膜再生医療 / 角膜上皮シート / 間葉系幹細胞 / 角膜損傷 / 肝細胞成長因子(HGF) / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
犬では角膜損傷の発生率が多いが、治療後も角膜混濁が残存することが多い。角膜混濁は実質細胞が筋線維芽細胞へと分化することで、コラーゲン配列が乱れることに起因するが、肝細胞成長因子(HGF)は犬角膜実質細胞の筋線維芽細胞分化を抑制する。本研究では、犬角膜上皮細胞シートとHGF産生能に優れる、骨髄脂肪細胞周囲細胞(BM-PAC)と呼ばれる犬の間葉系幹細胞を用いたシートで重合シートを作製し、角膜混濁抑制効果を付加した角膜上皮シートの作製と角膜損傷治療への有用性を検討し、新規角膜再生医療の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度はHGF産生細胞である犬骨髄脂肪細胞周囲細胞(BM-PACs)と犬角膜上皮細胞の共培養系を用い、BM-PACsが分泌するHGFにより犬角膜上皮細胞の運動能が上昇することで損傷治癒回復の促進が得られるかをvitroで検討を行なった。まず、BM-PACsをコンフルエントとなるまで培養し、培養上清中のHGF濃度を測定したところ、平均で800ng/mlの高濃度のHGFを産生することが明らかとなった。次に、犬角膜上皮細胞の培養を通常培養(コントロール)と、培地にBM-PACs培養上清を加えて培養を行う上清群、BM-PACsと共培養を行う共培養群にて培養を行い、それぞれの培養系で犬角膜上皮細胞の運動能を比較したところ、共培養群、上清群ともに運動能が促進し、共培養群で最も有意な促進が認められた。また、培地にHGF受容体であるc-Metの阻害剤を添加したところ、運動能促進はいずれの群でもキャンセルされ、BM-PACsが分泌したHGFにより犬角膜上皮細胞の運動能が促進すること、また共培養群ではHGFによる運動能促進作用がさらに強化されるような液性因子が存在することが示唆された。以上から、犬の角膜損傷に対してBM-PACsを細胞製剤として利用、あるいは培養上清を点眼薬として利用することで損傷治癒効果が得られることが期待できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HGF産生細胞としてBM-PACsが利用可能であることが明らかとなったが、予定していた研究期間内にvivoでの実験を終了することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、角膜損傷モデルを作製し、細胞シートあるいは培養上清の点眼による治療効果を明らかにする動物実験を計画する。
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