研究課題/領域番号 |
20K06396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
日根野谷 淳 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (20548490)
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研究分担者 |
山崎 伸二 大阪公立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70221653)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Escherichia albertii / アライグマ / 自然宿主 / Eacdt / stx2 / 志賀毒素 / 野生動物 / アルバーティ細菌 / 新興人獣共通感染症菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新興人獣共通感染症細菌Escherichia albertiiの自然界での動態およびヒトへの感染経路の解明、延いては本菌の感染予防法の構築に寄与すべく、野生動物、特にアライグマが自然宿主である可能性について分子疫学研究により評価する。具体的には、①アライグマにおけるE. albertiiの保菌調査を行う。また、保菌率とアライグマの個体情報(季節性、地域性、性差、年齢)との関係性を解析する。②アライグマ分離株と、ヒト臨床分離株の細菌学的特徴を比較解析する。③高病原性が予想される株は動物感染モデルでの評価も加えて、それらの病原性も調べる。
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研究成果の概要 |
Escherichia albertiiは新興腸管感染症細菌であり、我が国を中心に患者数100名を超える集団感染事例が度々発生している。本研究では、E. albertiiの自然宿主の同定を目標として、大阪府および北米で捕獲された個体を用いてアライグマにおけるE. albertiiの保菌実態を調査し、①大阪府および北米の個体においてそれぞれ約60%および約25%の割合でE. albertiiが検出されること、②保菌率には季節性があること、③混合感染しているアライグマが多くみられること、④保菌するE. albertiiは多様な細菌学的性状を有し、ヒトへの病原性を持つ可能性が高いことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
E. albertiiの臨床情報には徐々に蓄積されつつあるものの、感染源や感染経路については不明な点が多い。本研究では、E. albertiiの自然宿主の1つが野生アライグマであること、アライグマが保菌するE. albertiiはヒトへの病原性をもつと考えられること、原産国に生息する個体も保菌することを見出した。アライグマは、侵略的外来種として日本やヨーロッパを中心に個体数および生息域を増加させており、ワンヘルスの観点からも注意が必要な動物種であると考えられる。得られた知見により、E. albertiiの環境内動態およびヒトへの感染経路の解明に向けた更なる解析が可能になると期待できる。
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