研究課題/領域番号 |
20K06402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021-2022) 北海道立衛生研究所 (2020) |
研究代表者 |
八木 欣平 北海道大学, 獣医学研究院, 客員研究員 (70414323)
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研究分担者 |
野中 成晃 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (50281853)
中尾 亮 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50633955)
孝口 裕一 北海道立衛生研究所, その他部局等, 主幹 (50435567)
大久保 和洋 北海道立衛生研究所, その他部局等, 主査 (10785562)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 寄生虫症 / エキノコックス / 多包条虫 / 中間宿主 / コントロール / 感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦のエキノコックス症は、多包条虫によって引き起こされる難治性寄生虫疾患で、流行地域の住民とって健康上の大きな脅威である。本症の感染予防には感染源である虫卵を排出する終宿主動物対策が重要であるが、対策は進まず、本症の流行は本州にまで拡大している。今回の研究は、終宿主動物対策を補完し、流行の抑制・排除するために、野ネズミなどに対する中間宿主動物経口ワクチン開発を中心に、感染に関わる基礎的な情報を実験的に明らかにし、野生中間宿主動物のコントロール対策の検討に資する情報を提供することにある。
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研究成果の概要 |
有効な感染症対策を行うためには、病原体を維持している動物内での感染動態を明確にし、弱点を見つけ出し、そこに対策を適用しなければならない。エキノコックスの中間宿主動物における感染動態については不明な点が多く、特に宿主の感受性の量的な評価はほとんどされていない。本研究では、特殊感染実験施設内で近交系マウスを用い、虫卵感染後の寄生虫の発育動態を最新の分子学的技術により明らかにした。このことは、ワクチン等の開発に宿主の感受性の違いを考慮に入れなければならないことを示している。また野外での調査地域を設定し、そこでの感染動態について検討を行い、これまでの方策の有効性と限界について明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エキノコックス症は高い確率で死亡する難治性の人獣共通寄生虫疾患である。北海道には国外から人為的に移入されたものであり、現在も年間20名以上の新規患者が報告されている。野生動物が主体の寄生虫であり、ヒトへの感染を防ぐためには、正確な寄生虫の性質と実態を明らかにする必要がある。日本では本症の先進的な研究が行われ、高い評価を受けている。これは北海道で多くの住民を死に追いやったこの寄生虫に対し、行政と大学等の研究機関が共同で対策と研究を行ったことによる。本研究は北海道立衛生研究所の世界唯一のエキノコックス感染実験施設を用いて行われた。その結果、中間宿主動物の寄生虫感染動態の解明に光を当てる事ができた。
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