研究課題/領域番号 |
20K06412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2021-2022) 山口大学 (2020) |
研究代表者 |
坂井 祐介 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (60615722)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | SFTS / 人獣共通感染症 / 獣医学 / 重症熱性血小板減少症 / 感染症 / 病理学 / ウイルス学 |
研究開始時の研究の概要 |
重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) は血小板減少や白血球減少を伴う高熱、消化器症状、出血傾向を主要症状とし、致死率は6~30%に達する重要な感染症である。本研究は、これら病態の形成機序を病理組織学的解析により解明し、血小板減少や多臓器不全を防ぐための投薬戦略構築に貢献することを目的としている。血小板減少については、血小板産生細胞である巨核球が自己の免疫機構により傷害されている可能性を検討する。多臓器不全の原因となる組織傷害については、ウイルス感染細胞からの細胞死誘導因子の分泌を調べると共に、ウイルス感染細胞がどのように細胞死を免れて体内で維持されるのかについても解析する。
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研究実績の概要 |
SFTS発症ネコのリンパ節の組織学的解析では、これまでに解析したB細胞系の胚中心形成阻害、T細胞系のアポトーシス増加に関連する細胞集団として濾胞樹状細胞および樹状細胞について検索を行った。濾胞樹状細胞マーカーであるFascinによる免疫染色ではSFTSV非感染症例でもSFTS発症症例でも明らかな数的異常が認められないことを明らかにした。濾胞樹状細胞は胚中心反応の進行に必要な細胞であるが、SFTS発症症例で認められた胚中心の異常への関与は薄いものと考えられた。また、樹状細胞マーカーであるDEC205を用いた免疫染色ではSFTS発症症例ではSFTSV非感染症例に比べてDEC205陽性の樹状細胞の顕著な減少が生じていることも明らかにした。これらの免疫担当細胞ポピュレーションの異常はSFTS患者で認められる免疫機能低下の原因の1つと考えられ、病態の理解や治療戦略の構築のために重要な知見と考えられる。 以上のようにリンパ球系・樹状細胞系の顕著な脱落や機能異常が生じている中でSFTSVに感染した形質芽細胞の生存がどのように維持されているのかを調べるために、SFTSV感染細胞における細胞死阻害因子であるc-IAP1、c-IAP2、survivin、Bcl-2、Bcl-XL、Mcl-1の発現を調べたところ、Bcl-XLおよびMcl-1の発現がSFTSV感染細胞で上昇していることがわかった。SFTSではウイルス感染形質芽細胞が血流を介して循環することで様々な組織傷害を引き起こす。このためウイルス感染細胞維持機構が解明できれば、ウイルス感染細胞に効率的な細胞死を誘導するという新たな治療戦略の構築につながるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の所属機関を異動に伴う前年度の遅れ、培養細胞系およびin situ hybridizationの条件検討の遅れを取り戻すに至らなかった。また、培養細胞系を用いた細胞死阻害因子の探索により発現変化のある因子が同定できなかった点も遅れの理由となっている。
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今後の研究の推進方策 |
in situ hybridizationについては計画通りに実施する。培養細胞系を用いたアポトーシス阻害因子の実験については計画通りRaji細胞を用いた実験を遂行する。培養細胞では未処置細胞でも細胞死阻害因子の探索の発現が多いことや生体内のSFTSV感染細胞と性状が異なることが原因として考えられたため、効率的にSFTSVの感染が生じるPBL-1細胞の利用や免疫染色を利用した発現検索による解析因子の絞り込みによりSFTSV感染で生じる細胞死阻害因子の同定を目指す。
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