研究課題/領域番号 |
20K06414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
北原 豪 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90523415)
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研究分担者 |
村瀬 哲磨 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (30303514)
大澤 健司 宮崎大学, 農学部, 教授 (90302059)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ウシ / 精子形成 / テストステロン / 精巣発育不良モデル / 抗ミューラー管ホルモン / セルトリ細胞 / 成熟 / 評価 |
研究開始時の研究の概要 |
雄ウシの造成には約7年掛かり、多大な労力と経費を要す。効率的な造成には、正常且つ早く精子形成を開始する雄ウシから精液を採取したく、精液に依らない精子形成の評価が必要である。 精子形成の進行にはセルトリ細胞の成熟化が必要で、そのメカニズムは分かっていない。また、セルトリ細胞からのみ合成・分泌される抗ミューラー管ホルモンやライディッヒ細胞から合成・分泌されるアンドロジェンの相互作用や精子形成への関与も明らかにされていない。 本研究課題では、これらの解明と雄ウシの精子形成の評価を樹立させることを目的とし、雄ウシの将来性を考慮した新たな選抜基準の提案や雄ウシの繁殖障害の診断や治療の発展に繋げる。
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研究実績の概要 |
春機発動前の雄ウシから精液は採取できず、貴重な雄ウシへの侵襲を伴う組織学的検査は困難であるため、十分な精子形成を評価できない。抗ミューラー管ホルモン(AMH)やアンドロジェンなどの性ホルモンは、血液や精細管腔内に分泌され、容易に採取できるが、セルトリ細胞の成熟化や精子形成との関係は分かっていない。雄ウシの精子形成に関する新たな評価法の樹立を目指し、2022年度は精子形成の進行と性ホルモン濃度との関係を明らかにすることを目的に試験を行った。 黒毛和種雄子牛15頭を供試し、2カ月齢時から1カ月毎に精巣のニードルバイオプシーを行い、9カ月齢時に両精巣を摘出した。採取した精巣組織を用い、精子形成像を観察した。また、精巣組織採取時に採血を行い、血中AMHおよびテストステロン(T)濃度を測定した。伸長精子細胞が7カ月齢時に観察された群(早期群)と、8~9カ月齢時に観察された群(標準群)、伸長精子細胞が9カ月齢時においても観察されなかった群(遅延群)に分類し、各測定項目を比較した。また、このうち、3頭は、抗GnRH抗体誘導剤を使用し、精巣発育不良モデルの作成を試みた。 血中AMH濃度は、0カ月齢時は他の月齢と有意な差はみられなかったが、1カ月齢時に比べて、早期群では7カ月齢時以降、標準群では6カ月齢時以降、遅延群では7カ月齢時および9カ月齢時は低下した。血中T濃度は、0カ月齢時と比較して早期群では7カ月齢時以降、標準群では6カ月齢時以降は高くなった。しかし、遅延群では有意な変化はみられなかった。また、抗GnRH抗体誘導剤を投与した3頭では、陰嚢周囲長において、他の牛に比べ、発育が抑制された。今後は、今回作出した精巣発育不良モデル牛を用い、血中T濃度により異常を予見できるかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
精巣発育不良モデル動物の作出にあたり、抗GnRH抗体誘導剤入手と接種予定動物の確保に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を更に1年間延長し、精巣発育不良モデル動物を作出するとともに、正常と異常との相違を明らかにする予定である。
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