研究課題/領域番号 |
20K06416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
寺岡 宏樹 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (50222146)
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研究分担者 |
生城 真一 富山県立大学, 工学部, 教授 (50244679)
小林 麻己人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50254941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 発生毒性 / 代謝的活性化 / サリドマイド / アセトアミノフェン / in vivo / トランスジェニック動物 / 実験動物代替法 / 代謝酵素 / スクリーニング系 / 動物実験代替法 / シトクロームP450 / 毒性モデル / 催奇形性 |
研究開始時の研究の概要 |
げっ歯類を使用したin vivo毒性試験はますます実施困難になっている。ゼブラフィッシュ(ゼブラ) の初期胚稚魚は国際的に動物倫理の適用範囲外にある。最大の問題は種差であるが、最も重要な要因である代謝に関するゼブラの研究は少ない。一方、シトクロームP450 (CYP)などの代謝産物が毒性を発揮する例が多くの化合物で報告されている。本研究では、ゼブラ初期における主要CYP分子種(zCYP)の性質を明らかにするとともに、ヒト成体や胎児肝で主要なCYP分子種(hCYP)の一過性発現モデルおよびトランスジェニックゼブラ(hCYP-TGゼブラ)からなる新しいin vivoスクリーニング系を開発する。
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研究成果の概要 |
シトクロームP450(CYP)を中心に代謝酵素は化学物質の解毒だけでなく、毒性を顕著に増強する例がよく知られている。この毒性の代謝的活性化は、げっ歯類には無効だが、ヒト、サル、ウサギでのみ短肢症を示すサリドマイドや、肝毒性を示すアセトアミノフェン(APAP)の毒性発現に特異的なCYPサブタイプが関与することが報告されている。本研究では、β-アクチンプロモーター下にヒトシトクロームP450 3As(hCYP3As)やラットCYP2E1をゼブラフィッシュ全身に発現させることで、見かけ上の発生過程にはほぼ影響を与えずに、サリドマイドによる胸ビレの低形成やAPAPによる肝毒性が増強することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、2億種近くの化学物質がCASに登録されている。これらの大半の毒性情報は乏しいが、げっ歯類を使用したin vivo毒性試験は動物福祉の問題からますます実施困難になっている。代替法としてゼブラフィッシュが注目されているが、種差が問題である。種差の主因の1つは代謝の種差にあると信じられている。本研究では、ヒトを含めた哺乳動物のシトクロームP450をゼブラフィッシュに発現させることで、顕著な種差を示すサリドマイド奇形を含めた、哺乳動物で認められるのと類似の毒性を再現することができた。今後、動物福祉の問題だけでなくコストパフォーマンスにも優れた試験系としてさらに検討する価値がある。
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