研究課題/領域番号 |
20K06418
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
五味 浩司 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90293240)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 内分泌顆粒 / セクレトグラニン3 / セクレトグラニン2 / 副腎髄質 / 神経膠細胞 / クロム親和性細胞 / 褐色細胞腫 / 伴侶動物 / 副腎髄質細胞 / カテコールアミン / クロモグラニンA / ジーントラップマウス / セクレトグラニン / 内分泌細胞 / 分泌顆粒 / ペプチドホルモン / アストログリア / 神経内分泌疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは,分泌顆粒へのペプチドホルモンの選別輸送に関わるSg3の機能について,その検証を進めてきた。最近,Sg3が活性アミン分泌細胞やグリア細胞の機能と何らかの関わりがあることが分かった。本研究では,グリア系培養細胞や我々が既に作成しているSg3遺伝子欠損マウス由来組織および個体を用い,形態学的,分子生化学的並びに行動学的解析を行い,Sg3の機能的多様性を明らかにする。さらに,伴侶動物の健康・疾患組織におけるSg3の発現解析を行い,生理機能・病態との関連性を明らかにする。得られる成果は,Sg3の新たな機能の発掘と獣医学領域における関連疾患の病態の理解に結びつくものとして期待できる。
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研究成果の概要 |
セクレトグラニンⅢ(Sg3)ジーントラップマウスのLacZレポーター遺伝子の発現解析を行い,既知ペプチドホルモン分泌細胞の他に,神経細胞および神経膠細胞,副腎髄質細胞での発現を認めた。グリオーマにおいて,グルタミン酸刺激による発現増強を確認した。イヌ副腎髄質細胞で小胞モノアミントランスポーター2との共発現を免疫組織化学的に検出したが,Sg2のパターンとは異なっており,共免疫沈降法とプルダウン法では分子相互作用は検出されなかった。イヌ褐色細胞腫では,Sg3の発現動態はクロモグラニンAと類似したが,Sg2とは異なっていた。得られた成果はSg3の分子特性の新たな理解と関連疾患の病態理解に貢献する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Sg3はペプチドホルモン産生細胞においてホルモン顆粒の形成に関与する分子として知られている。ニワトリ,マウス,イヌおよびウシといった動物種における個体レベルでの発現解析によってペプチドホルモン産生細胞以外の多様な細胞でSg3が発現し,神経膠細胞や副腎カテコルアミン細胞での発現動態からSg3の機能的多様性が示唆された。また,Sg3の機能的類似分子として位置付けられるSg2との明確な差異が組織学レベルで明らかとなった。伴侶動物の腫瘍組織におけるグラニンタンパク質の発現動態の解析は初めての報告であり,獣医学領域の神経内分泌疾患の病態病理の理解につながる知見である。
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