研究課題/領域番号 |
20K06425
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
石井 利明 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50264809)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | B. breve A1 [MCC1274] / MPTP / パーキンソン病 / 難治生認知障害 / 記憶消去 / 脳-腸-微生物相関 / 海馬 / neuropsin / 難治性認知症 / ビフィズス菌 / プロバイオティクス / 脳腸相関 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は運動症状以外にも難治性の認知障害を併発するがその有効な治療薬は存在しない。研究代表者はPDモデルマウス(PDマウス)の記憶能力を詳細に調べた結果、認知障害発症機構の解明に成功した。本研究は、PDの認知症の発症を予防するプロバイオティクスの検索過程でその有効性を認めたビフィズス菌特定株の作用機構を解明することで、これまで曖昧であった腸のマイクロバイオームと脳の両者間に存在する腸脳軸(腸脳相関)の本体を明らかにすると同時に、PDの難治性認知障害に対して安全性の高い治療あるいは予防に向けたプロバイオティクス有効活用による機能性食品開発の手がかりを見出す。
|
研究成果の概要 |
MPTPをマウスの腹腔内に投与することでパーキンソン病のモデルマウス(PDマウス)を作出した。B. breve A1は、PDマウスが示す海馬記憶の異常な消去亢進を正常レベルにまで回復させた。その際、B. breve A1 はPDマウス海馬で亢進したneuropsinのmRNAとタンパク質発現を回復することで、シナプスタンパク質発現量とCA1領域の神経樹状突起上のスパイン密度を正常化することを明らかにし、抑制性GABA神経伝達の減弱を正常化している可能性を示した。また、B. breve A1の作用発現には海馬神経細胞内のILKとその下流に位置するAktの活性化が一部関与する知見が得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PDの認知症の発症を予防するプロバイオティクスの検索過程でその有効性を認めたBifidobacterium breve strain A1 [MCC1274] (B. breve A1)の作用機構を解明し、PDの難治性認知障害に対して安全性の高い治療あるいは予防に向けたプロバイオティクス有効活用による機能性食品開発の手がかりを見出すことが出来た。また、B. breve A1はGABA-A受容体拮抗薬による不随意運動の亢進を回復させたことから(特願2022-089546 抗てんかん用組成物 [発明者:石井利明])、B. breve A1はてんかん発作の予防にも有効である可能性が示唆された。
|