研究課題/領域番号 |
20K06436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
平山 博樹 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (60390861)
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研究分担者 |
澤井 健 岩手大学, 農学部, 教授 (90390864)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | AMH / ウシ / 卵巣 / 黄体 / 卵胞 / 子宮内膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人工授精による繁殖成績の低下が大きな問題となっているウシにおける受胎性向上技術の開発を目的とする。近年、ウシの妊娠しやすさの指標として、卵巣内に存在する卵胞数の多寡を表す卵巣予備能の個体差が注目されている。本研究では、卵胞から血中に分泌され卵巣予備能の優れたバイオマーカーとして利用されている抗ミューラー管ホルモン(AMH)の繁殖生理に関わる役割の解明とその活用による新たな受胎性向上技術の開発を最終的な目標とし、AMHが前胞状卵胞の発育、黄体機能、子宮内膜機能の制御に果たす新たな役割を探索する。
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研究実績の概要 |
AMHは卵巣の顆粒層細胞で産生されることが知られている。本研究では、牛におけるAMHの新たな役割を明らかにすることを目的に、卵巣以外の生殖関連組織におけるAMH濃度を測定した。その結果、卵巣皮質(36.8±20.5 ng/g組織)に比較すると有意に低いものの、黄体(4.6±4.3 ng/g組織)においても比較的高いAMH濃度が検出された。また、子宮内膜丘阜(1.1±1.4 ng/g組織)および子宮内膜丘阜間(0.8±0.4 ng/g組織)においてもAMHが検出され、血中と同程度もしくはそれをやや超える濃度のAMHが存在することを明らかにした。 黄体組織では、いずれの黄体周期においてもAMHとAMHR2が黄体細胞に共局在することが確認された。受容体への結合活性を有するAMHのC末端領域ペプチドは、黄体の形成期に比較して中期、後期および退行期に有意に増加することを見いだした。また、AMHR2の発現は黄体中期に有意に増加した。これらの結果から、黄体機能の制御においてAMHシグナルが関与することが示唆され、培養細胞を用いたAMHの機能解析を進めている。 子宮内膜丘阜および丘阜間部で検出されたAMHのC末端領域ペプチド量およびN末端領域ペプチド量は、卵巣皮質におけるペプチド量と有意な相関を示した(r = 0.701-0.866)。これらのことから、卵巣由来のAMHが内分泌学的機構によって子宮内膜におけるAMH量を制御している可能性が示された。また、切断されたAMHのペプチド量が発情周期に伴い変動することが示された。血中AMH濃度は個体差が大きいことから、子宮内膜におけるAMHシグナルの活性も個体ごとに異なることが推測される。そこで、培養子宮内膜細胞を用いてAMHが子宮内膜機能制御に果たす役割の解析を進めている。
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