研究課題/領域番号 |
20K06440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
渡部 聡 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (80391572)
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研究分担者 |
石井 和雄 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, ユニット長 (80414697)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アデノ随伴ウイルスベクター / CRISPR/Cas9 / ゲノム編集 / 抗病性 / 遺伝子改変ブタ |
研究開始時の研究の概要 |
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターにゲノム編集関連分子を搭載した組換えAAV(rAAV)を作成し、rAAVを含む培養液を腹腔鏡観察下で雌ブタ卵管に注入し輸卵管内の着床前胚にrAAVを感染させ、最終的に標的遺伝子がノックアウト(KO)された遺伝子改変ブタを作成する。これにより、従来必須であった受精卵核への核酸の顕微注入、注入胚の仮親卵管への移植などの一切の体外操作が不要となり、非侵襲的に短期間で効率よく遺伝子改変動物を作成することができる。本申請では、豚コレラウイルスの受容体であるcluster of differentiation 46(CD46)を欠損した「豚コレラ抵抗性ブタ」を作成する。
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研究実績の概要 |
申請者は、アデノ随伴ウイルスに黄色ブドウ球菌由来のCas9(saCas9)遺伝子とガイドRNA遺伝子を搭載したベクター(AAV-CRISPR)を作成し、ブタで豚コレラウイルス(SFV)受容体で免疫系細胞の表面に存在するCD46タンパクの遺伝子をノックアウトし、SFVに感染しないブタを作製する研究に着手した。 令和2年度は、saCas9が哺乳類細胞で機能するか確認するため、マウスチロシナーゼ遺伝子に対するgRNAとsaCas9遺伝子を搭載したAAV-CRISPRを、マウス黒色腫に感染させる実験を行った。その結果、メラニン合成が減少し細胞色が白色となりウエスタンブロッティングでもチロシナーゼ産生が著しく減少することを確認した。この結果から、saCas9は哺乳類細胞でも機能することを確認した。また、EGFP遺伝子を搭載したAAVをマウス受精卵にin vitroで感染させたところ、これらの受精卵は緑色の蛍光を発しAAVが哺乳類の受精卵に感染できることが明らかになった。 また、これまでブタのCD46と反応する抗体はなく、このタンパクの存在や動態を確認できなかった。そこで我々は、SFVのキャプシッドタンパク遺伝子の中でCD46に結合するE2領域とEGFP遺伝子の融合合成遺伝子を作成しこれを培養細胞で発現させ、融合タンパクを作らせて精製しCD46の存在を調べる方法を考案した。E2-EGFP遺伝子を293T細胞に導入したところ、その培養上清から強い蛍光を発するタンパクのフラクションを得られた。このタンパクを、ブタ胸腺から採取した初代培養細胞に反応させたところ、細胞表面に蛍光を示す細胞が観察されE2-EGFP融合タンパクが免疫系の細胞表面に存在するCD46と結合することが示唆された。 今後これらのツールを使用して研究を推進していく予定であったが異動となり、本課題を中止することとなった。
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