研究課題/領域番号 |
20K06443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
岸上 哲士 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10291064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 発生工学 / 着床前胚の体外培養 / 着床前発生 / 長期影響 / DOHaD / 胚の体外培養 / 着床前胚の環境 / 疾患モデル動物 |
研究開始時の研究の概要 |
体外および体内における胚の環境がその後の発生率や産仔率に影響するだけでなく生活習慣病などの将来の疾患リスクに結びつくことが明らかになりつつあるが、その全体像や詳細な機構は不明なままである。胚環境が長期に及ぼす影響の仕組みが明らかになれば、ヒトにおける将来の疾患のリスクの低い健康な産子を得るための技術開発や逆に疾患リスクを極度に上げることで疾患モデル動物の開発に発展することが期待される。そこで、本研究課題では特に着床前胚の代謝、エピジェネティクスおよび細胞内シグナルと生活習慣病との関連に着目し、着床前胚の細胞生理学的撹乱が将来個体の健康に及ぼす影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
哺乳類の着床前胚の体外培養技術は、ヒトの不妊治療や発生工学技術に不可欠である。近年、胚の栄養環境がその後の発生率や産子率に影響するだけでなく、胎児や胎盤の発達、さらに成体において生活習慣病などの疾患リスクに結びつくことが示唆されているが、その全体像や詳細な機構は不明なままである。 本研究では、胚のグルコサミン経路、小胞体ストレス、alphaMEM培地による培養が胚および産子に及ぼす影響について明らかにした。特に、将来糖尿病を発症するalphaMEM培養液の培養では細胞小器官の一つである核小体の形態異常を見出し、胚の栄養環境等の攪乱により核小体の形成不全が長期に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哺乳類の着床前胚の体外培養技術は、ヒトの不妊治療に加えて家畜および実験動物にも広く利用されている。しかし体内に比べて、体外培養により産子率が低下すること、産子や胎盤の発生に影響し、さらに成体においても糖代謝の異常など長期影響がみられるなど現在の体外培養技術の課題がある。本研究成果から、胚環境において糖などの栄養やストレスが発生率を低下させ、また核小体の攪乱を通じて長期影響のリスクに影響を及ぼす可能性が示唆された。今後これらの成果をもとに、発生低下および長期影響を克服した胚の発生に適した新規培養液の開発につながり、特にヒト不妊治療において大きく貢献することが期待される。
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