研究課題/領域番号 |
20K06449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2022) 早稲田大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
新井 大祐 順天堂大学, 医学部, 助教 (20624951)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エピジェネティクス / エピゲノム編集 / ヒストン修飾 / 細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒストンH3の27番目のリジンのトリメチル化(H3K27me3)によるエピジェネティック制御は、分化や発生に伴う遺伝子の使い分けの基盤だと考えられている。しかし従来の研究では機能解析のために全ゲノムのH3K27me3を減少・欠失させていたため、個々の遺伝子の制御における役割については証明できていなかった。本研究では「ゲノム上の特定の領域のH3K27me3の機能解析」を軸に、H3K27me3の真の役割を解明するための新たな戦略、in situエピジェネティクスを創出する。これらを用い、細胞分化に伴うNodal遺伝子のH3K27me3による制御機構を解明する。
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研究実績の概要 |
ヒストンH3の27番目のリジンのトリメチル化(H3K27me3)によるエピジェネティック制御は分化・発生に伴う遺伝子の使い分けの基盤として重要視されているが、従来の研究ではゲノム上の特定の領域のH3K27me3(in situ H3K27me3)が対応する遺伝子の制御に本当に関与しているのか、重要なのはH3K27me3ではなくPRC2の非触媒性機能ではないか、という問題が放置されていた。本研究では「ゲノム上の特定の領域のH3K27me3の機能解析(in situエピジェネティクス)」の手法を確立し、細胞分化に伴うNodal遺伝子のH3K27me3による制御機構の解明を目指している。 H3K27me3とPRC2自身のどちらが機能に必要なのかを調べるために、H3K27me3の機能とPRC2の非触媒性の機能を独立にON・OFF可能なES細胞(PRC2スイッチES細胞)の作出を進めている。PRC2は触媒サブユニットとしてEZH2とEZH1のどちらか一つを含む。当初計画では内在性のEZH2をAID法により分解除去する予定だったが、最近、分解効果と特異性の高いAID2法が発表されたため、こちらを採用することとした。OsTIR(F74G)の発現カセットと酵素活性を持たないEZH2変異体のTet-ON発現カセットをROSA26領域にノックイン導入したES細胞株を樹立した。 本研究において開発されたノックイン新手法(BiPoD法)は2領域への同時両アリルノックインが可能である。ES細胞の分化能を保つためには、細胞株樹立に要する時間は短いほど望ましい。そこでEzh1遺伝子全長の欠失とEzh2 C末端へのAIDタグの挿入を同時に行えるか、条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動に伴う研究環境の再セットアップに時間を要し、当初の計画よりも遅れが生じた。一方、本課題において開発したBiPoD法により、PRC2スイッチES細胞の作出などを迅速に進めることができ、遅れの一部を取り戻すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
In situ H3K27me3調節ツールとモニター用細胞を用いて、H3K27me3のNodal遺伝子発現への効果を検証する。PRC2スイッチES細胞を完成させ、in situ H3K27me3調節ツールと組み合わせて分化時のH3K27me3の役割を解明する。
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