研究課題/領域番号 |
20K06453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 (2022-2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
杉本 道彦 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10373317)
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研究分担者 |
田夛 祐喜 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 開発研究員 (10746382)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マウス / 初期発生 / 細胞内小胞輸送 / 胚性致死 / 多能性幹細胞 / scRNA-seq / 哺乳動物 / 発生 / 細胞内小胞因子 / 細胞間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者のこれまでの研究より、細胞内小胞輸送に関わるタンパク複合体、GARP complexが、哺乳類の発生に必須であることが明らかとなった。また、GARP complexはその構成因子を入れ替えることで、哺乳類杯発生を多面的に制御する多機能発生制御因子としての役割を果たしていることを示唆する結果を得た。本研究では、GARP complex変異マウス胚を用いて単一細胞トランスクリプトーム解析を行うことで、GARP complexが関与する発生制御機構を明らかにし、細胞内小胞輸送経路に関わるGARP complexがいかにして細胞間相互作用を介して哺乳類発生に関与しているのかを解明する。
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研究成果の概要 |
細胞内小胞輸送に関わるGARP complexの一つであるVps52を欠損させると、着床直後に致死となる。VPS52と結合するタンパク質をコードする遺伝子を個別に破壊すると、Vps52欠損胚と同様に着床直後に致死となるものがVps52も含めて3種、やや遅れて致死となるものが2種、大幅に遅れて致死になるものが1種であった。着床直後に致死となる変異胚を用いて単一細胞トランスクリプトーム解析を行ったところ、プログラム細胞死の1種であるフェロトーシスに関連する遺伝子の発現に変動が確認された。本研究によりGARP complexがフェロトーシス制御に関わっている可能性を示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GARP complexは細胞内小胞輸送に関わることが示されているが、その生物学的役割についてはほとんど解明されていない。本研究により、思いがけずGARP complexが哺乳類初期発生過程においてプログラム細胞死の1種であるフェロトーシス制御に関与する可能性を示唆する結果が得られた。フェロトーシスは新しく発見されたプログラム細胞死機構であり、そのメカニズムや生物学的意義は明確ではないが、様々な疾患との関連性や新たな抗がん剤の開発など、医学研究分野でも注目されている。本研究成果はGARP complexそのものの機能解明のみならずフェロトーシス機構を理解する一助となる可能性がある。
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