研究課題/領域番号 |
20K06456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
土佐 紀子 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20312415)
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研究分担者 |
林元 展人 公益財団法人実験動物中央研究所, ICLASモニタリングセンター, センター長 (30332208)
石田 智子 公益財団法人実験動物中央研究所, ICLASモニタリングセンター, 副センター長 (40311237)
森松 組子 (吉松組子) 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (90220722)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イムノクロマト / 実験動物 / モニタリング / 感染症 / 血清診断 / 個体別血清診断法 / 多項目イムノクロマト法 / 迅速・簡便診断法 |
研究開始時の研究の概要 |
学術・科学技術の研究に供する動物の微生物モニタリングは、研究結果の信頼性の担保、および動物福祉の観点から必要不可欠である。本研究は、動物を安楽死させることなく実験用動物マウス・ラットの主要感染症を同時に且つ迅速・簡便に検出できる個体別血清診断法の確立を目的としている。これまでの研究成果を基に有望と考えられる多項目イムノクロマト(ICG)法について、検出可能な感染症の種類の拡大と実用性を検証する。本研究により、誰でも検査を安価に迅速・簡便に実施することが可能となる。これにより、動物の国内外の相互分与が活発となる一方で、実験動物の微生物統御の向上、および動物福祉3Rsの「数の削減」に寄与する。
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研究実績の概要 |
学術・科学技術の研究に供する動物の微生物モニタリングは、研究結果の信頼性の担保、および動物福祉の観点から必要不可欠である。近年、多系統少数個体維持の増加や個別換気型飼育機の普及等により、従来の微生物モニタリング方法、すなわち「おとり動物」の感染症の検出を指標とする間接的な方法では感染症を摘発することが困難となっている。この問題を解決するためには、動物を安楽死させることなく微量全血を用い、マウス、ラットの主要感染症を同時に且つ迅速・簡便に検出できる個体別血清診断法の確立が必要である。その方法として有望と考えられる「多項目イムノクロマト(ICG)法」の開発について申請者らは取り組んで来た。 本研究ではこれまでの成果を基に、1)多項目ICG法の検出条件が確定したマウス・ラットの感染症(マウス:マウス肝炎ウイルス感染症、センダイウイルス感染症、ティザー病。ラット:唾液腺涙腺炎ウイルス感染症、センダイウイルス感染症、腎症候性出血熱)の検出における本法の実用性を検証し、2)上記感染症に加え、主要感染症であるマイコプラズマ感染症(マウス、ラット)とティザー病(ラット)のICG法を確立することを目的としている。 3年度(令和4年度)においては、以下の研究を実施した。1)多項目ICGスティックの最適な保管条件・最長保管期間を明らかにする実験において、保管期間12ヶ月と18ヶ月の多項目ICGスティックの各保管条件における検出・感度特異性への影響の結果を得た。2)多項目ICGスティックの輸送条件を確定した。3)ICGスティックの頒布活動を行い、国内における新たな協力施設を得た。4)乾燥血液を用いた時のICG法の検出・感度特異性を明らかにするため、乾燥血液の保管・輸送条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R4年度は、対面式開催となった国内の学会において頒布活動を行い、協力施設を得ることができた。しかし、国外の対面式開催の学会には参加できておらず、国外におけるICGスティックの頒布活動を行い新たな協力施設を確保する計画は進んでいない。また、Myco(マウス、ラット)とTyzzer(ラット)のICG法を確立する研究が進行中ですある。一方、多項目ICGスティックの最適な保管条件・最長保管期間を明らかにする実験において、保管期間18ヶ月の多項目ICGスティックにおいても良好な検出・感度特異性が得られたため、当初予定していた最長2年間の保管期間を3年間に延長し、検出・感度特異性への影響を明らかにする必要性が生じた。そこで、実験期間を1年延長し実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
1年間の実験期間を延長し、以下の研究を進める。1)保管期間3年における多項目ICGスティックの検出・感度特異性への影響を明らかにする。2)国外の対面式開催の学会に参加し、国外におけるICGスティックの頒布活動を行い、国外における協力施設を確保する。3)本研究で明らかとなった多項目ICGスティックの最適な輸送条件で協力施設に多項目ICGスティックを送付し、協力施設において、ELISA等の自家検査に加え、全血および血清・血漿を用いたICG法による検査を実施し、結果を比較することにより、全血サンプルを用いた時のICG法の検出感度、特異性を明らかにする。4)協力施設から供与された自然感染陽性検体を用いて多項目ICG法の検出感度・特異を明らかにする。5)協力施設において、本研究で確立した方法で作成・輸送された乾燥血液を用い、ICG法の検出感度、特異性を明らかにする。6)Myco(マウス、ラット)とTyzzer(ラット)のICG法を確立するため、抗原調整方法の実験を継続する。各抗原の精製・濃縮方法、抗原をICGメンブレンに塗布する際の処理方法、および抗体検出用単体を検討し、ICG法の検出条件を決定する。
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