研究課題/領域番号 |
20K06457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
日下部 博一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60344579)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 凍結乾燥法 / マウス / 染色体 / 卵 / フリーズドライミニ卵 / スピンドル / ミニ卵 / 再構築卵 / フリーズドライ卵 / 卵子 / フリーズドライ |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の卵子をカップラーメンのようにフリーズドライできれば、液体窒素を使用せずに室温で長期間保存することが可能になる。しかし現状では、哺乳類卵子はフリーズドライすると死んでしまう。本研究では、卵子は死んでも遺伝子にダメージを与えないフリーズドライ法を確立する。別の新鮮な卵子(予め遺伝子染色体を除去したもの)にフリーズドライ卵子の染色体を注入し、フリーズドライ卵子の遺伝子に由来する受精卵を作製する。
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研究成果の概要 |
本研究ではマウスの二次卵母細胞を用い、細胞質を適量含んだ紡錘体からなる「ミニ卵」を、凍結乾燥に適した大きさで効率よく簡単に作製する技術を開発した。作製されたミニ卵を20 micro M のγトコトリエノールを含むTris-EGTA溶液(KOHで溶解させて作製)で3日間まで処理し、凍結乾燥して別の新鮮な除核卵に移植を試みたところ、移植操作そのものが可能であることが確認された。移植後の再構築卵を単為発生させて第一卵割中期で染色体を解析したところ、22-34%の単為発生卵が正常な染色体をもつことが確認された。ただし、凍結乾燥ミニ卵は今のところ染色体異常率が高いため、今後さらなる改良が必要とされる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ヒトを含めた哺乳類の安全な卵子保存方法の確立を目指す研究である。これまでに精子保存方法では、様々な動物を用いて凍結乾燥法による冷蔵・室温保存方法が研究されているが、卵の凍結乾燥法は研究が進んでおらず、依然として液体窒素を用いる凍結保存法しか体外で維持する方法がない。そのため、地震などの災害やヒューマンエラーによる停電、もしくは家屋の倒壊などによる液体窒素供給システムの停止による遺伝子資源喪失のリスクは未だ高いままである。本研究成果では、凍結乾燥後の卵はもはやリバイブしないが、雌性ゲノムの移植ドナーとして染色体異常をもたない「凍結乾燥ミニ卵」を作製できることが判明した。
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