研究課題/領域番号 |
20K06463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 公益財団法人実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
上原 正太郎 公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物応用研究部, 研究員 (10733123)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒト化肝臓マウス / チトクロムP450 / チトクロムP450酸化還元酵素 / TK-NOGマウス / 薬物代謝 / S-ワルファリン / 肝臓特異的Por欠損 / 薬物代謝の動物種差 / POR / ヒト型薬物代謝 / ヒト肝キメラマウス / ワルファリン代謝 / 肝毒性 / 代謝的活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物性肝障害(Drug-Induced Liver Injury: DILI)は医薬品開発において高頻度で認められる毒性(有害事象)であり、臨床試験や市場投入後に初めて現前する副作用や毒性発現が原因で臨床試験中止や市場撤退を招き、医薬品開発および医療上の問題となる。それはヒト特異的に発症するDILIを高度に再現できるin vivoモデルが確立されていないためである。本研究では、薬物代謝特性を高度にヒト型化した新しい肝臓ヒト化マウスを基盤に、"ヒト型薬物性肝障害モデル”を開発する。さらに作製したin vivoモデルを用いてヒト特異的な薬物肝毒性の発現機序を解明し、肝毒性予測の評価系を構築する。
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研究成果の概要 |
従来のヒト化肝マウスは、残存するマウス肝細胞の薬物代謝酵素活性により、一部の薬物のヒトにおける薬物動態や毒性を予測することができない。本研究では、肝特異的Por活性欠損マウスにヒト肝細胞を移植し、肝特異的Por欠損ヒト化肝臓TK-NOGマウスモデルの確立に成功した。このモデルでは、肝特異的Por欠損により、残存マウス肝細胞のP450酵素活性が著しく低下しており、従来のヒト化肝臓モデルと比較して、薬物代謝能がよりヒトに近いことが示唆された。以上のことから、肝臓Por欠損ヒト化肝臓マウスモデルは、薬物動態・安全性試験の新たなプラットフォームとしての活用が期待されます。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト化肝臓マウスはヒト肝細胞で構築されたミニ肝臓を有しており、ヒトに類似した薬物代謝の特徴を示す。しかしながら、肝臓に残存する僅かなマウス肝細胞が原因で、稀にヒトとは異なる薬物代謝を示すことが明らかになっている。残存マウス肝P450の薬物代謝への干渉を最小化した肝臓特異的チトクロムP450酸化還元酵素欠損ヒト化肝臓マウスは、ヒトの薬物動態・安全性を精度よく予測するための重要な実験動物となる。すなわち、本動物を創薬へと応用することにより、より安全で有効性の高い医薬品の創出が期待される。
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