研究課題/領域番号 |
20K06469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米谷 耕平 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (50437258)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 胸腺上皮細胞 / TEC / 免疫ヒト化マウス / ヒトT細胞 / MHC拘束性 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
T細胞は病原体や体内に発生したがん細胞を感知し排除するために、全身をくまなく監視する免疫細胞である。T細胞本来の機能を研究するためには、生体内での挙動を観察できる実験系が必要であるが、ヒトに関しては、ヒト体内における免疫システムの再現には至っておらず、最適な実験系の開発が求められている。ヒトT細胞研究に利用できるモデル動物を作出するために、本研究課題では、ヒト胸腺上皮細胞をヒトiPS細胞から簡便な方法で安定的に供給する方法を確立し、得られたヒト胸腺上皮細胞を免疫ヒト化マウスに移植することで、ヒト胸腺環境を備え機能的なヒトT細胞が発生する改良型免疫ヒト化マウスを作製する。
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研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞から胸腺上皮細胞(Thymic epithelial cell: TEC)を分化誘導するために、TECの発生に必要と考えられる転写因子をドキシサイクリン依存的に任意のタイミングで発現させることのできるiPS細胞を樹立した。樹立したiPS細胞をTECの発生起源である内胚葉に分化させた後にドキシサイクリンを添加し、導入した転写因子を発現させた。ドキシサイクリン存在下でさらに培養を継続し、得られた細胞の遺伝子発現を定量的PCR法にて検証した結果、胸腺上皮前駆細胞様細胞(TEC-progenitor-like cell: TEPLC)が誘導された可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト免疫細胞のin vivoでの解析には、免疫細胞をヒト由来細胞と置き換えた「免疫ヒト化マウス」の利用が有用である。しかしながら、既存の免疫ヒト化マウスでは胸腺上皮細胞がレシピエントであるマウス由来であり、分化するヒトT細胞がマウスMHCと結合して分化するため、ヒトT細胞としての機能が完全ではなかった。一方、今回の研究で得られたヒト胸腺上皮前駆細胞様細胞を免疫ヒト化マウスに移植することで、ヒト胸腺環境を備え機能的なヒトT細胞が発生する改良型免疫ヒト化マウスを作製し、ヒトT細胞の生体内での機能を解析できる可能性が提示された。
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