研究課題/領域番号 |
20K06479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
岡村 匡史 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 実験動物管理室長 (00333790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 本態性振戦 / ラット / 次世代シークエンサー / バルク法 / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
振戦は不随意な律動的な体の動きであり、その原因の中で最も頻度が高いのが本態性振戦である。本態性振戦は発症機序や原因遺伝子など未解明な点が多く、有効な根治療法が存在しないため、その治療は対症療法が中心である。また、ヒトにおいて、本態性振戦はQOLを著しく低下させるだけでなく、パーキンソン病のリスク因子であることも示唆されている。本研究は、申請者らが発見した全身性に動的振戦を呈するラットを用いて、その原因遺伝子を同定すると共に、パーキンソン病の病態の進行に本態性振戦が関与するのかをモデルラットを用いて検証する。
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研究成果の概要 |
申請者は、自家繁殖していたラットにおいて、全身性に動的振戦を呈する個体を偶然発見した。本研究では、従来の染色体マッピングに用いられる交雑群を必要としない、次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析により短期間でその原因遺伝子を同定した。発見当初は本態性振戦モデルラットとして有用であると考えていたが、原因遺伝子の機能を考えると全身性に代謝異常を引き起こし、様々な症状を呈しヒトの未診断疾患のモデル動物になると期待された。今後、ヒトの新規疾患の診断に役立つ情報を提供するために、本研究で同定した遺伝子の生体での機能をさらに明らかにしていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床的な所見を有しながら通常の医療の中で診断に至ることが困難な患者(未診断疾患患者)は、多数の医療機関でも診断がつかず、原因もわからず、治療方法も見つからないまま様々な症状に悩まされている。ヒトの疾患において、約7,000-9,000種類あるとされる単一遺伝子疾患のうち3,000余りは未だに原因遺伝子が同定されていない未診断疾患である。ヒトの未診断疾患においては、他の疾患以上にモデル動物の情報が必要とされている。本研究で用いたモデルラットは、ヒトの未診断疾患のモデル動物になると期待され、本研究が発展することで未診断疾患患者の診断および治療法の開発に大きく貢献することが期待される。
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