研究課題/領域番号 |
20K06480
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
下澤 律浩 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 主任研究員 (50300786)
|
研究分担者 |
揚山 直英 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 主任研究員 (50399458)
石井 一弘 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70323293)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | カニクイザル / 非ヒト霊長類 / 神経セロイドリポフスチノーシス / CLN2 / ライソゾーム病 / iPS細胞 / 神経疾患 / 繁殖 / 生物資源 / 疾患モデル / 生殖補助技術 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトで難病指定されている神経セロイドリポフスチン症の2型(CLN2)は、根本的な治療法はない。この疾患を発症したカニクイザルが霊長類センターで発見された。カニクイザルはヒトと同じ霊長類に属し、長寿かつ高次脳機能を持つことなどからCLN2のモデル動物として最適である。そこで、それを疾患モデルとして確立するために、CLN2疾患個体の生産基盤を構築する。CLN2個体は経時的に病態等を調べるとともに疾患iPS細胞を樹立し、細胞から個体における生物資源を整備する。
|
研究成果の概要 |
3頭のCLN2カニクイザルを元に変異遺伝子を一つ持つ(ヘテロ型)と想定された先祖の子孫の中に多数のヘテロ型個体を確認した。CLN2疾患の3頭の脳組織を調べたところ、ヒトCLN2のそれと非常に似ていた。さらに、発症前から行った観察および病態解析では、ヒトの発症年齢に近いところで発症し、脳容量は発症前から萎縮が認められ、行動は経過とともに悪化し、発症から約1年後に安楽殺に至った。CLN2個体から樹立したiPS細胞の性状は他の非ヒト霊長類ES細胞と同様であった。これら生物資源はヒトCLN2のモデルとして有用なものと考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経セロイドリポフスチン症の2型(CLN2)は難病指定されている致死性の疾患である。ヒトとカニクイザルは同じ霊長類であり、他の実験動物よりもヒトとの類似性が高く、CLN2カニクイザルは有用な研究資源になり得る。そのような生物資源を整備するために、変異遺伝子を一つ持つ(ヘテロ型)個体を多数特定し、変異遺伝子を二つ持つ(ホモ型、性成熟に達しない)個体を生産可能な基盤があることを確認した。さらに、生体の代替利用が可能なiPS細胞の樹立にも成功した。このようなCLN2カニクイザルおよびそのiPS細胞はヒトCLN2の治療法開発に有用な生物資源である。
|