研究課題/領域番号 |
20K06487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
酒井 恒 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 助教 (70526251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ファンコニ貧血 / アルデヒド代謝 / 脂質代謝 / DNA損傷応答 / アルデヒド / DNA損傷 / DNA修復 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題ではファンコニ貧血タンパク質(FAタンパク質)が脂質代謝制御においてどのように機能的に影響を及ぼしているのかについて明らかにする。具体的には、脂質代謝に関与する酵素とFAタンパク質が相互作用を介して、細胞内の脂質代謝由来の内因性DNA損傷の発生を未然に防いでいる可能性について検証を行う。また、脂質代謝環境の変化に応答したFAタンパク質の細胞内動態についても解析を行う。これらの分子制御機構の解析によって、ファンコニ貧血において見られる様々な病態の発症機序の理解、さらにはそれら諸症状に対する効果的な予防法の開発に資することを目的とする。
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研究成果の概要 |
申請者が独自に単離したFANCD2タンパク質と相互作用を示す因子との解析では、遺伝子破壊細胞株を用いた遺伝学的解析により、これまで報告されていなかったアルデヒド分子のゲノム安定性における影響について明らかにした。また、脂質代謝に応答したFANCD2の細胞内動態の解析として、脂質代謝制御に重要なオルガネラの形成に連関したFANCD2の局在変化を見出した。このようなFANCD2の細胞内動態はこれまで他に報告がなく、脂質代謝環境の変化に応答した新規の細胞応答である。これらの結果は、DNA損傷応答とは独立したFANCD2の機能を検証する上で、重要な研究成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
稀な遺伝疾患であるファンコニ貧血は多種多様な病態を示すことが知られている。それらは責任遺伝子産物FAタンパク質の機能異常に起因するが、脂質代謝異常に関してはその病態発症機序は依然として明らかでなく、根本的な治療法や予防法の開発も進んでいない。本研究課題ではFAタンパク質のひとつであるFANCD2と協調して機能する因子の同定およびその解析から、FANCD2の脂質代謝制御における新たな細胞応答を明らかにした。これらの研究成果は、ファンコニ貧血の病態発症機序の解明、および分子メカニズムに基づいた病態緩和法の開発の基盤になると期待される。
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