研究課題/領域番号 |
20K06488
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上野 勝 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (90293597)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 環状染色体 / 抗がん剤 / 分裂酵母 / テロメア / がん / 抗癌剤 / DNA修復 / 染色体分配 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物の染色体は線状であるが、ある種のがんでは高頻度で環状染色体が見つかる。また、染色体が環状化したヒト遺伝病患者が存在する。これらの患者の環状染色体は、不安定で欠失などが起こりやすく、がんのリスクが高い。ヒト環状染色体の維持に関係する因子が見つかれば、環状染色体を持つがん細胞を特異的に死滅させたり、環状染色体を持つ遺伝病患者のがんのリスクを軽減させたりできる可能性がある。そこで本研究では、ヒト環状染色体を維持する細胞株を用いて、ヒト環状染色体の維持に関与する因子の発見を試みる。さらに、得られた成果を用いて、環状染色体を標的とした新しい抗がん剤の開発につなげる。
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研究成果の概要 |
環状染色体を持つヒト培養細胞を用いて、環状染色体を持つヒト細胞の生育を阻害する化合物としてカンプトテシンが得られた。さらに、分裂酵母においては、Gsk3とGsk31が環状染色体を持つ細胞の形の維持に必要であることを発見した。また、ヒストンH2AZをコードするPht1は環状染色体を持つ分裂酵母の生育に重要であることがわかった。さらに、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるロミデプシンが環状染色体を持つ分裂酵母の生育を阻害することを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、環状染色体を持つヒト細胞の生育を阻害する化合物候補としてカンプトテシンが得られた。ある種のがんは高い頻度で環状染色体を持つことから、カンプトシンはこれらのがんの治療に使える可能性がある。分裂酵母においては、Gsk3とGsk31が環状染色体を持つ細胞の形の維持に必要であることを発見した。また、Pht1が環状染色体を持つ分裂酵母の生育に重要であることがわかった。さらに、ロミデプシンが環状染色体を持つ分裂酵母の生育を阻害することを発見した。今後は、これらの発見がヒト細胞においても保存されていれば、環状染色体を持つがんの治療に使えることが期待できる。
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