研究課題/領域番号 |
20K06489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中川 武弥 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50363502)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細胞分化制御 / リボソームRNA / 遺伝子転写制御 / SOX2 / TBP / 細胞分化 / クロマチン / 多能性維持 / クロマチン構造 / 転写制御 |
研究開始時の研究の概要 |
SOX2はES細胞の多能性維持に重要な転写因子である。SOX2による標的遺伝子転写調節による多能性維持機構の理解は発生時の分化メカニズムの理解へとつながり、再生医療への貢献が期待される。ES細胞ではrRNAの転写が活発であり、その結果リボソームでのタンパク質合成が促進されている。そしてES細胞の分化開始時はrRNAの転写抑制が必要とされている。この様にrRNAの転写調節は細胞分化に大きな影響を与える。SOX2複合体の構成因子はrRNA転写調節領域に結合することからrRNA転写への関与が示唆される。本研究課題ではSOX2複合体がrRNA転写に与える影響を解析し、その制御メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
胚性幹細胞でのリボソームRNA転写調節は細胞分化制御において重要である。我々が発見したSOX2を含む新奇タンパク質複合体はリボソームRNA転写調節領域に結合することから、リボソームRNA転写制御への関与が示唆される。我々は細胞内において複合体の構成因子であるSOX2とTBPの人工的な発現低下により、リボソームRNAの転写が減少することを明らかにした。また、SOX2とTBPが転写調節領域へ結合するには、互いに協調する事が必要であることを明らかにした。これらの結果から複合体が転写調節領域のゲノムDNA高次構造変換を引き起こし、リボソームRNA転写を促進するというモデルを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞分化をコントロールすることによって人工的に組織や臓器を製造し、再生医療に利用することが期待されている。胚性幹細胞はあらゆる細胞に分化することが可能である多能性を有しており、この多能性維持メカニズムの理解は細胞分化の人工的制御にとって重要である。SOX2は胚性幹細胞の多能性維持に重要な転写因子である。本研究課題ではこのSOX2が担う多能性維持機構の理解を進展させることが出来た。
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