研究課題/領域番号 |
20K06490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
吉久 徹 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (60212312)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | tRNA / 転写制御 / 転写因子 / tRNA検出因子 / tRNAレパートリー |
研究開始時の研究の概要 |
翻訳に必須な各tRNAの量比の総体はこれまで静的に保たれると考えられていたが、近年の研究で、生体の内的・外的要因で一定幅で変化することが明らかとなった。しかし、個別のtRNA種の供給(転写)がどのように制御されるかの機構は判っていない。本研究では、個別のtRNA遺伝子(tDNA)の転写制御の機構を、酵母を材料として新たに開発するPol IIIレポーター系を用いて解析、tDNAを個別認識する転写因子や、tRNAの現存量をモニタする因子などの発見を試みる。これによって、今まで明らかでは無かったtRNAの量的制御を供給側で支える仕組みの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
翻訳因子であるtRNA種の個別の量的制御機構は未だ判っていない。酵母を用いた分子遺伝学的手法でこの機構を検討するため、tRNA遺伝子(tDNA)のプロモータ活性測定系の構築を目指した。まずはイントロンを含む前駆体tRNAのRT-qPCRを用い、同義遺伝子中、イントロン配列に特徴のあるtDNA由来の前駆体tRNAの量を特異的に分析できることを示した。次に、RNAiにおけるshRNAをtDNAをプロモータとして発現させ、標的であるEGFPの発現抑制でtDNAプロモータ強度を定量できるか検討した。しかし、異なるtDNAを用いても全て強くレポーターを押さえてしまい、定量比較には不向きであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は今まで知られていなかった個別tRNA遺伝子の発現制御を解析するための研究基盤の構築を試みた。学術的には、生理条件に応じた個別のtRNA遺伝子の発現制御を検出することはできたが、本来の目的である遺伝学的なスクリーニングに耐えるプロモータ活性の測定計の構築には至らなかった。RNAiやCRISPRiに用いられる低分子non-coding RNAの発現をベースとした検出系では、レポーターmRNAの発現量をかなり正確に調製する必要がある。今後は、tDNAプロモータで転写される機能性RNAが直接検出できる系での検討が必要であろう。
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