研究課題/領域番号 |
20K06509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
池上 貴久 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 教授 (20283939)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 解糖系 / GAPDH / アロステリック効果 / ホモ多量体 / NMR / GPADH / 四次構造 / Moon-lighting 蛋白質 / 神経変性疾患 / Moon-lighting蛋白質 / 核磁気共鳴 |
研究開始時の研究の概要 |
グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)は解糖系に必須の酵素であるが、酸化還元状態などの状況に応じて、異なる相手分子と臨機応変に相互作用し種々の異なる機能を発揮することが知られている。申請者は、いつもはホモ四量体であるGAPDHがサブユニット数も含む四次構造を変化させることによって多機能性を発揮しているのではないかと考え、その新たな概念としてのアロステリック効果をNMR, native-MS, AUC などの物理的計測法を用いて解明する。
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研究成果の概要 |
解糖系の酵素であるグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)は、4つの同じサブユニットが集まったホモ四量体である。GAPDH は、生体が老化して酸化ストレスにさらされた際に、本来の機能とは異なる別の機能をもつ蛋白質に変身するため、moon-lighting protein と呼ばれている。この変化の仕組みを NMR と thermal shift assay, 分析ゲル濾過で解析した結果、機能の変化はサブユニット数の変化に起因することが示唆された。特に NAD がない状態で ATP が存在した時にそれが顕著であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GAPDH は生化学的に長らく研究されてきた分子であり、従来よりサブユニット分裂が機能変化に関与する可能性が示唆されてきた。しかし、決定的な証拠はなく、議論の的となっていた。本研究では、分析ゲル濾過による分子レベルの解析とNMRによる原子レベルの解析を組み合わせることで、このサブユニット分裂を原子レベルで実証した。このサブユニット分裂は、老化や酸化ストレスによって引き起こされる。またGAPDH は、アルツハイマー病やパーキンソン病の発症に関わる分子との相互作用も報告されており、重要な役割をもつことが示唆されている。
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