研究課題/領域番号 |
20K06514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岸川 淳一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (80599241)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 回転分子モーター / V-ATPase / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / 膜タンパク質 / ATP 合成酵素 / 低温電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
ATP 合成酵素はプロトンの濃度勾配を回転エネルギーに変換することで、その機能を発揮している。エネルギーの変換を担う膜内在性部分の構造解析をすることで、そのメカニズムを明らかにする。 調製した ATP 合成酵素の膜内在性部分の単粒子解析によって、その詳細構造の解明を目指す。また、複数状態の構造を明らかにすることで、ATP 合成酵素の反応メカニズムに迫る。
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研究成果の概要 |
ATP合成酵素は、生体膜の内外に形成されたプロトン駆動力を回転エネルギーに変換することで、ATPを合成する。この酵素がどのようにプロトン駆動力を回転エネルギーに変換しているかは未だに不明である。本研究では、好熱菌由来ATP合成酵素を材料として、その高分解能構造からエネルギー変換機構の解明を目的とする。 クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析により、ATP合成酵素の膜内在性ドメインの高分解能構造を得た。得られた構造から、プロトン輸送に重要な残基のプロトン化状態を明らかにすることができた。現在、得られた構造をもとに、分子シミュレーションを行うことで、エネルギー変換機構について議論を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ATP合成酵素は、ATPの合成とプロトン輸送を回転によって共役するユニークなタンパク質である。親水性部分でATPの合成、膜内在性部分でイオンの輸送を行う。親水性部分は、一分子回転観察などにより詳細に調べられている。一方で、膜内在性でのプロトン輸送機構は不明な点が多かった。本研究で得られた知見は、この輸送機構の原子レベルでの解明に光を当てるものであり、学術的な意義が深い。また、回転分子モーターは非常に精密な機械と捉えることもでき、その機構が分かることは、生物工学的にも興味深い。
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