研究課題/領域番号 |
20K06525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 神戸大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
大橋 祐美子 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任講師 (10422669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 液-液相分離 / アミロイド / 天然変性蛋白質 / アミロイド線維 / 低複雑性配列 / Sup35 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内には無数の液-液相分離が形成されており、特定の生体分子が局所的に濃縮されている。液-液相分離の形成・解離は、一連の生体内化学反応のON/OFFを意味し、その制御は、創薬の重要なターゲットとなる事が期待できる。これまでの研究で、液-液相分離の形成・解離に、「低複雑性配列」を保持した天然変性蛋白質が主体的な役割を担っている事が明らかになっているが、その詳細な分子機構は未解明である。本研究では、2種類の低複雑性配列を持つ、酵母翻訳終止因子Sup35のN末端天然変性領域を用い、人為的に液-液相分離形成を制御できる手法の確立を目的として、低複雑性配列の役割を解明する。
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研究成果の概要 |
Sup35蛋白質のN末端領域(Sup35NM)は酵母の種によって配列が異なる。これらのタンパク質を混合し、細胞内液滴の環境に近い、複数の蛋白質が混在する系を試験管内で構築し、相分離液滴からのアミロイド形成を抑制するメカニズムの解明を目指す研究を行った。 4種のSup35NMはそれぞれ液滴内で共存できる事が分かり、また、液滴内に共存する事によってアミロイド形成が遅延する事が明らかとなった。酵母細胞内では、Sup35と類似したアミノ酸組成を持つタンパク質が液滴に共局在している事が分かり、細胞内でも同様の仕組みでアミロイド形成が抑制されている事が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質の異常凝集体であるアミロイドは、様々な重篤な疾患に関与しており、その多くは治療法が確立していない。そのため多方面から勢力的に研究が行われているが、どのようにして体内でアミロイドが形成されるのか、つまりアミロイド病発症のメカニズムは未解明である。相分離液滴からのアミロイド形成は近年発見された新たなアミロイド病発症モデルであり、その詳細な解析とアミロイド形成抑制機構の解明は今後の創薬や治療法開発の上で重要な知見となると期待できる。
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