研究課題/領域番号 |
20K06528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
川上 恵典 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 研究員 (40619904)
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研究分担者 |
長尾 遼 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任講師 (30633961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 光合成 / 光捕集 / 光エネルギー伝達 / 光化学系 / クライオ電子顕微鏡 / フィコビリソーム / 単粒子解析 / 構造生物化学 / 光エネルギー / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
シアノバクテリアや紅藻などの藻類は、フィコビリソーム(PBS)と呼ばれる巨大な水溶性アンテナ蛋白質複合体を用いて太陽の光エネルギーを高効率に吸収し、生命活動を行っている。この光エネルギー伝達様式を明らかにすることで、天然光合成の仕組みをより一層理解できるようになる。蛋白質の機能を知るためにはその立体構造を調べる必要があるため、本研究ではクライオ電子顕微鏡解析によってPBSを含む光合成試料の立体構造を解析する。
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研究成果の概要 |
地球上の藻類は、太陽の光エネルギーを利用する光合成によって生命活動を行っている。フィコビリソーム(PBS)は、吸収した光エネルギーを光化学系蛋白質複合体に伝達する巨大な水溶性光捕集性蛋白質複合体である。PBSの立体構造を明らかにすることは、藻類の光捕集とそのエネルギー伝達の仕組みを理解する上で重要である。本研究では、好熱性シアノバクテリア由来PBSの立体構造をクライオ電子顕微鏡を用いて解析し、その詳細な構造を明らかにするとともに、PBSの光捕集機構を解明した。その結果、PBSの立体構造を3.7Å分解能でその詳細構造を明らかにし、分光学的解析とともにPBSのエネルギー移動経路を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
藻類は太陽の光エネルギーを吸収して光合成を行っている。藻類が持つ巨大な水溶性の光捕集蛋白質フィコビリソーム(PBS)は、吸収した光エネルギーを主に光化学系IIに伝達する。PBSの立体構造とその機能を明らかにすることは、藻類の光捕集・エネルギー伝達の仕組みを理解する上で極めて重要である。本研究によって、PBSの立体構造とその機能を、クライオ電子顕微鏡解析よって明らかにした。 本研究成果は、光合成の初期過程である光エネルギーを吸収する仕組みを解明したものである。藻類の光捕集の仕組みを理解し、この知見を人工光合成研究に取り入れることで、高効率光エネルギー伝達デバイスの開発に貢献できると期待される。
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