研究課題/領域番号 |
20K06530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
村川 武志 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (90445990)
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研究分担者 |
林 秀行 大阪医科薬科大学, 医学部, 名誉教授 (00183913)
馬場 清喜 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 構造生物学推進室, 主幹研究員 (00437344)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | トパキノン / HAG法 / アミン酸化酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,タンパク質結晶のX線回折測定は,放射線損傷を低減するため極低温で行うことが多い.しかし,結晶を凍結させることにより室温で取りうる多彩な構造が失われ,また得られた構造は温度情報が曖昧なため,エネルギー的議論を行うことが難しい.本研究では,非凍結酵素結晶内での基質添加による反応の進行や,反応中間体結晶への酸・塩基添加(pHジャンプ)によるコンフォメーション変化を,高速検出装置を用いてタイムラプス的にX線回折測定する.これによって,速度論およびエネルギー論的な見地に基づいた立体構造解析を行う.
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研究実績の概要 |
本研究は,HAG法(湿度調整と水溶性ポリマーのコーティングを用いたタンパク質結晶マウント法)を発展させ,温度やpHが正確に制御された環境下での結晶内の酵素反応を,X線結晶構造解析および結晶顕微分光により直接的に観察することを目的としている.研究試料として土壌細菌Arthrobacter globiformisに由来した銅アミン酸化酵素 (AGAO)を使用し,本酵素の補酵素であるトパキノン(TPQ)の生合成過程における,前駆体Tyr残基からTPQへの構造変化機構の解明を目指す. 補酵素TPQは,酸素および銅イオン存在下で,前駆体Tyr残基から自己触媒的に生成する.このため,まず我々は銅イオン非存在下で,大腸菌内にてAGAOを発現,精製し,本酵素の前駆体(Tyr型)の結晶を作成した.得られた結晶を嫌気ボックスに移動し,酸素非存在下で銅イオン溶液に浸漬後,SPring-8のビームラインに設置されたHAG装置にマウントした.この結晶への吹付け気流を,窒素ガスから酸素(空気)に切り替えることにより,結晶内でのTPQ形成反応を開始した.気流切り替え後,経時的に回折測定を行い反応を追跡したところ,結晶内で最終的にTPQが形成したことを確認できた.回折実験に並行し,ビームラインに設置されたオンライン型結晶顕微分光装置による測定も行った.結晶の厚み,および反応の進行度とTPQに由来する480 nmの吸収に良い相関関係が得られ,回折と分光をリンクさせた測定が可能となった.現在,詳細な解析を行っているが,構造変化についての重要な知見が得られ,我々がこれまでに提案した反応スキームをさらに拡張できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに結晶化条件および測定条件などをほぼ固めることができたため,昨年度より本格的な測定を始めた.すでに,結晶内で前駆体Tyr残基からTPQへの構造が大きく変化することを回折データおよび分光データから観察できた.
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今後の研究の推進方策 |
令和四年度より本測定を開始しこれまでにおおよそのデータは取得している.次年度は得られたデータの解析と,より踏み込んだ測定を行う.実験条件をより細かく振り,また,回折測定と分光測定をリンクさせ,より定量的な構造データを得る.
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