研究課題/領域番号 |
20K06537
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
若杉 桂輔 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20322167)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | アミノアシルtRNA合成酵素 / 蛋白質 / 機能 / トリプトファン / 免疫寛容 / 制御機構 / ポリフェノール / 生体分子 / チロシルtRNA合成酵素 / トリプトファニルtRNA合成酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
アミノアシルtRNA合成酵素はtRNAにアミノ酸を結合させるアミノアシル化反応を触媒する。我々は、これまでに、チロシルtRNA合成酵素(TyrRS)がこの触媒機能に加え、細胞外に分泌された後、サイトカインや血管新生促進因子として働くこと、また、トリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)が血管新生抑制因子として働くことなどを発見した。本研究課題では、特に、我々が最近発見した免疫寛容に関わるトリプトファン(Trp)のTrpRSを介した細胞内への輸送機構を分子レベルで解明することを目指す。また、TrpRSが持つ多機能性や細胞内外の多様な局在がどのように制御されているのか解き明かすことにも挑む。
|
研究成果の概要 |
癌細胞では、細胞外から細胞内へ、トリプトファン(Trp)に対する高い親和性と高い選択性を有する高感度な取り込みが起こり、癌周辺のTrpを枯渇させることでT細胞の活性を抑制し、免疫寛容が生じる。本プロジェクトでは、癌の免疫寛容を誘導する細胞外から細胞内への高感度Trp輸送にトリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)が直接関わること、また、TrpRSによるTrp-AMP合成能と細胞内のTrp飢餓状態が高感度Trp輸送に極めて重要であることを明らかにした。さらに、アミノアシルtRNA合成酵素に結合しアミノアシルtRNA合成酵素の機能を制御するポリフェノールの探索にも挑んだ。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、癌の免疫寛容を誘導する細胞外から細胞内への高感度トリプトファン(Trp)輸送に直接関わるトリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)の作用機序の解明を目指し、TrpRSによるTrp-AMP合成能と細胞内のTrp飢餓状態が高感度Trp輸送に極めて重要であることを明らかにした。さらに、アミノアシルtRNA合成酵素に結合しアミノアシルtRNA合成酵素の機能を制御するポリフェノールについて解析を行った。高親和性Trp取り込みは癌が免疫機構を回避するために利用されるため,今回見出したポリフェノールはアミノアシルtRNA合成酵素をターゲットとする癌の治療薬開発のために活用できると考えられる。
|