研究課題/領域番号 |
20K06539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長束 俊治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00243163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | グライコーム解析 / グライコプロテオーム解析 / 希少糖 / ゼブラフィッシュ / 胚発生 / 糖ペプチド / 孵化腺 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、ゼブラフィッシュの胚から分泌されている新規な糖ペプチドを発見した。しかもその糖鎖構造は報告のないものであり、希少糖を末端に持っていた。この糖ペプチドは、胚で生合成され胚体外へ分泌されていることから、他生物との相互作用に寄与していること等が予想されるものの、生理機能についてはいまだ不明である。そこで本研究では、この分泌糖ペプチドのアミノ酸配列解析を行い、前駆体タンパク質を明らかにすることを第一の目的とする。さらに前駆体タンパク質から遺伝子を特定し、ゲノム編集を用いて当該遺伝子の欠損個体を作製することによって、当該分泌糖ペプチドの生理機能に関する知見を得ることを第二の目的とする。
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研究成果の概要 |
希少糖である6dAltを糖鎖の末端に持つ2つの糖タンパク質を同定できた。1つはヒト癌胎児性抗原のホモローグであり、ヒトでは腸の上皮細胞表面に発現していて、その糖鎖部分と微生物の相互作用を利用して病原微生物の排除に関与することが知られている。もう一つは、カテプシンLbであり、ゼブラフィッシュの当該プロテアーゼは、孵化腺特異的に発現して分泌され、孵化に関与すると考えられている。このことは6dAltが、分泌糖ペプチドに含まれることや、受精時には検出されず孵化時期に向かって検出量が増加することと非常によく一致していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖鎖の生理機能は、生体間相互作用である外因性機能と生体内の細胞間相互作用である内因性機能に分類される。今回の研究で解明した2種のキャリアタンパク質は、共に生体外で機能するものであることから、含有糖鎖も外因性機能を持つことが示唆された。このことから、生体防御を含む糖鎖の外因性機能の解明に、本研究成果は大きく寄与する。さらに今後も研究を進めることにより、糖ペプチド性の新規な抗菌剤などの開発を通じて、社会還元に繋がる可能性を持つ。
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