研究課題/領域番号 |
20K06542
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 治樹 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80615451)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 光合成細菌 / クロロフィリド / 酵素進化 / クロロフィル / 光依存型酵素 / 酵素デザイン / シアノバクテリア / クロロフィル生合成 / プロトクロロフィリド |
研究開始時の研究の概要 |
高等植物など多くの光合成生物が持つ光依存型プロトクロロフィリド還元酵素は光を反応 に用いる珍しい酵素であり、光合成に必須の色素であるクロロフィルの生合成の後期の律速 反応を触媒する。光エネルギーを利用し化学反応を触媒するという性質は学術的にも工学的 にも注目されているが、光利用酵素のメカニズムはほとんど明らかになっていな い。本研究ではこの光依存酵素の基質結合部位を明らかにし、さらにその部位周辺に変異を 導入することで、その光利用性を別の反応に機能を変換させ、光利用のメカニズムを明らか にすることを目指す
|
研究実績の概要 |
2023年度は本研究で確立したin vivoのCORの活性評価系を利用し下記の通り、二つの異なる活性を持つCORの機能変換のメカニズムについて解析を行った。 CORはchlorophyllide(Chlide) aのB環の炭素二重結合を還元しバクテリオクロロフィリド(Bchl) aへ変換する反応を触媒する。しかしBchl bを主要色素として保持する光合成細菌Blastochloris viridisの保有するCORはB環の二重結合の還元ではなく、8V-Chlide aに対してエチリデン基の生成を行う。このように同じCORでも種によって異なる活性を有することが報告されているが、どのような違いによりこの活性の違いが決定づけられているかは不明である。この活性の違いを決定づけるアミノ酸残基を特定するため、COR欠損株を用いたin vivo活性評価を利用してそのアミノ酸残基の特定を行った。COR欠損株にB. viridisのCOR遺伝子bchY-Zを導入した株は光合成的には生育しないが、長期の培養により光合成的に生育するリバータントを取得した。得られたリバータントにおけるbchY-Z配列を確認したところ、いくつかのアミノ酸置換を伴う塩基置換が起こっていることがわかった。その中でも最も相補効果が大きいと判断されたBchYのP189S変異に着目して、そのリバータントが持つ色素の解析、COR_P189Sの活性の変化を解析した。その結果、COR_P189Sは元来のエチリデン基生成活性を維持しつつ、Bchlide aへの活性を獲得していることを見出した。構造予測から推測される変異箇所から金属中心の構造に変化をもたらしこのような活性の変化が生じたと考えられる。
|