研究課題/領域番号 |
20K06548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小西 博昭 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (40252811)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞情報伝達 / 細胞増殖 / タンパク質凝集 / アダプタータンパク質 / 神経変性疾患 / タンパク質リン酸化 / ノックアウトマウス / 疾患原因遺伝子 / ノックアウト(KO)マウス |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはEGF刺激したA431細胞の抽出液からチロシンリン酸化されるタンパク質を精製し、質量分析装置を用いてそれらのアミノ酸配列を網羅的に同定した。 そして、同定されたタンパク質中で、機能未知のものの役割を明らかにしてきた。その中で、タンパク質自身を命名し、KOマウスの解析まで行っているものがCLPABP、GAREM及びWDR54である。 近年、当該タンパク質と様々なヒト疾患の関係についての報告が国内外から徐々に出始めている。本研究は将来的にそれらの関連疾患の治療薬やバイオマーカーの開発に寄与するために、当該タンパク質と疾病の機能相関などを明らかにするために行う。
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研究成果の概要 |
EGF(上皮細胞増殖因子)受容体下流で機能し、リン酸化酵素Erkの制御に関与するアダプタータンパク質GAREMについて、2つの新たな知見を見出した。1、脳に多く発現する分子種GAREM2は培養細胞内においてEGF刺激前は細胞質全体に局在するが、刺激後に特徴的な顆粒を形成し、刺激前後で大きな局在変化を伴うことがわかった。その特徴的局在にはGAREM2分子中の比較的アミノ末端に存在するグリシンに富む領域(GRD)が必要であることを明らかにした。2、広範囲の臓器で発現するGAREM1は遺伝子欠損細胞やマウスの解析により、細胞及び動物個体の増殖や成長に必要であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳ではいくつかのタンパク質の凝集がアルツハイマー病やハンチントン病などの神経変性疾患に関与していることが知られている。本研究では、脳特異的に発現するGAREM2のみが細胞増殖因子刺激依存的に凝集するという現象を見出し、それがGAREM2のGRDに依存し、GRDを持たないGAREM1は凝集が起こらないことを明らかにした。神経変性疾患の原因タンパク質間にはアミノ酸配列の共通性がなく、その凝集機構は未だ不明な点が多い。本研究の結果は、GAREM2が神経変性疾患の新たな凝集タンパク質である可能性を提示し、その凝集機構をさらに詳細に解明することで、神経変性疾患治療法の開発につながることが期待される。
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