研究課題/領域番号 |
20K06550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
堅田 利明 武蔵野大学, 薬学研究所, 名誉教授 (10088859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Gタンパク質 / エフェクター / 細胞内シグナル伝達 / 真菌 / 細胞内シグナル伝達系 / 真菌感染症 / p21-activated kinase / 感染症 / 病原性 / 遺伝学 / 生化学 / 分子細胞生物学 / 阻害剤スクリーニング / シグナル伝達 / 低分子量G蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、真菌の病原性獲得機構の分子基盤の理解と新たな抗真菌薬の標的探索に向けて、真菌の形態変化と細胞増殖に関わるシグナル受容・応答機構を解明する。申請者によるヒトを含む高等真核生物を対象とした広範なシグナル伝達研究の蓄積は、最もプリミティブな真核生物である真菌のシグナル伝達系を比較論的に解析・理解する上で極めて優位な状況となる。これまでの抗真菌薬は、ヒトと同じ真核細胞という制約から、標的部位は極めて限定された状況にある。したがって、真菌の病原性獲得といった新しい視点から、ヒトとは異なるシグナル伝達系に創薬標的を求める探索研究は、的確なアプローチであり、新奇性・独創性の高いものである。
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研究成果の概要 |
真菌(カビ)が引き起こす感染症により、全世界で年間150万人以上のヒトが亡くなっていると推計されている。本研究では、真菌が感染症を引き起こす要因となる細胞内シグナル伝達系を明らかにし、創薬標的とすべく、これまでに見出したRac/CDC42経路を介した細胞形態制御機構の理解を拡大させ、抗真菌薬のリード化合物の探索を行った。その結果、Rac/CDC42下流のエフェクターCla4が正常な菌糸成長に必要なことを見出した。また、皮膚糸状菌Rac/CDC42の活性化を阻害する化合物やCla4のキナーゼ活性を阻害する化合物を同定し、それらの化合物が菌糸成長を抑制することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの抗真菌薬は、ヒトと同じ真核細胞という制約から、真菌に特有な細胞壁β-1,3グルカン、細胞膜エルゴステロール合成酵素の阻害薬、あるいはピリミジン系核酸合成阻害薬という状況で、抗菌薬や抗ウイルス薬の開発とは異なり、抗真菌薬の標的部位は極めて限定された状況にある。したがって、真菌の病原性獲得といった新しい視点から、シグナル伝達系に創薬標的を求める探索研究は、ユニークなアプローチであり、これまでにない新たな発見を生み出せるものと考えられる。菌糸成長を標的として、同定したRacやCDC42の周辺分子を阻害する低分子化合物は新規作用標的を有する抗真菌薬のリード化合物となるものと期待される。
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