研究課題/領域番号 |
20K06552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
福田 智行 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90415282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オートファジー / オルガネラ / ミトコンドリア / タンパク質分解 / 酵母 / シグナル伝達 / マイトファジー / 分裂酵母 |
研究開始時の研究の概要 |
選択的オートファジーはオルガネラの一部を膜で包み、輸送、分解することで、オルガネラの質や量を制御する。この際に、分解対象をどのように認識し、切り離すかは不明である。また、選択的オートファジーがオルガネラ機能や細胞活動に寄与する程度や、機序も分かっていない。そこで本研究は、選択的オートファジーに関わる因子の探索と機能解析から「選択的オートファジーによるオルガネラ分解の機構」の解明を目指す。また、各因子の欠損株の表現型解析から「オルガネラ分解の生理的意義」を見出す。
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研究成果の概要 |
マイトファジーは不要なミトコンドリアを隔離、分解する。分裂酵母の網羅的探索より、マイトファジーに必須のミトコンドリアタンパク質Atg43とAtg44を同定した。Atg43は外膜に局在し、隔離膜上のAtg8と結合することでミトコンドリアに隔離膜を安定化させることを見出した。一方、Atg44は膜間腔に存在し、その欠損はミトコンドリアの形態異常を引き起こすが、過剰発現はミトコンドリアの断片化をもたらした。したがって、Atg44はミトコンドリアの分裂を促進し、隔離膜に収納可能な断片を生成すると考えられる。以上より、隔離膜のリクルートとミトコンドリア分裂が、マイトファジーの主要なプロセスといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マイトファジーは真核生物に普遍的に見られ、細胞の恒常性維持や機能発現に重要な役割を果たすと考えられている。本研究では、酵母を用いた探索からマイトファジーに必須の因子を同定し、それぞれの作用機序を明らかにした。特に、マイトファジーには、ミトコンドリアに隔離膜をリクルートする過程と、分解対象のミトコンドリア領域を分裂させて隔離膜に収納する過程が存在することを分子レベルで明確にできた。本研究成果を足がかりに、マイトファジーの制御機構や生理機能の理解が進むと期待できる。また、マイトファジーの人為操作によるミトコンドリア機能の人工的制御につながる可能性がある。
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