研究課題/領域番号 |
20K06554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
富田 毅 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20302242)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞外RNA / タンパク質間相互作用 / タンパク質核酸相互作用 / プルダウンアッセイ / 抗転移細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの体には、さまざまな免疫担当細胞が存在している。最近の研究から、一部の免疫担当細胞には、がん転移を抑制する機能があることが判明した。この「抗転移細胞」にはどのような特徴があるかについて分子レベルで調べたところ、ZC3Hタンパク質が抗転移能の機能に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。そこで本研究では、このタンパク質についてさらに詳細な構造解析や機能解析を行うことにより、がん転移を抑制するための新しい知見とすることを目指している。
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研究実績の概要 |
ヒトZC3Hタンパク質には58kDaアイソフォームと36kDaアイソフォームの2種類のアイソフォームが存在する。このうち、36kDaアイソフォームは293T細胞での過剰発現系構築および、細胞抽出液からの目的タンパク質精製が比較的容易である。例えば、精製タンパク質を用いたEMSAによる核酸結合アッセイを行うためには、36kDaアイソフォームの場合、10cmディッシュ20枚の293T細胞で可能であるのに対し、58kDaアイソフォームの場合は10cmディッシュ100枚の細胞が必要である。これまでの研究はすべて、36kDaアイソフォームでデータを取得してきた。しかし、実際に生体内で機能しているのは58kDaアイソフォームであるので、ZC3Hタンパク質の機能実験は58kDaアイソフォームで確認しなければならない。ZCタンパク質と結合するタンパク質との相互作用には、58kDaアイソフォーム特異的配列が関与しているとされている。本年度は、58kDaアイソフォームを精製し、IL1bRNAとの結合をEMSAで確認した。さらに蛍光相関分光法(FCS)およびゲルろ過によるタンパク質-RNA結合の検討を行うために58kDaアイソフォームの精製を行っている。精製の第一段階である、タグ抗体カラムによる精製を、これまでに何度か行っているが、精製タンパク質が全く得られないという事象が発生しており、問題となっている。現在、安定的に精製タンパク質を得るためのトラブルシューティングを行っている。ゲルろ過カラムは、高分子の分離に適用できるものがなかったため、新たに導入することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゲルろ過カラムの調達が遅れてしまったため、一部の実験が次年度になったため。
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今後の研究の推進方策 |
ゲルろ過カラムが2023年5月末には入手可能となるので、カラムが調達でき次第、ゲルろ過の実験を行う。
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