研究課題/領域番号 |
20K06555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
谷川 美頼 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (50553658)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | TORC1 / センサー / 栄養 / ラパマイシン / アミノ酸 / 栄養検知 / グルタミン / アミノ酸センサー / TOR |
研究開始時の研究の概要 |
TORC1は栄養によって活性化され代謝制御を行う栄養応答の枢要をなす分子である。申請者らは酵母を用いた研究で、細胞内グルタミン特異的にTORC1を活性化する経路が存在すること、さらにこの活性化に必須な因子が、液胞膜タンパク質Pib2のみであることを見出した。このことは、Pib2がTORC1を直接活性化する細胞内グルタミンセンサーであることを強く示唆している。 本研究では、Pib2がセンサーとしてどのようにグルタミンを検知し、その後どのようにTORC1を活性化するのかを明らかにする。Pib2とグルタミンの結合機構を解明することは、高濃度の代謝物を検知するメカニズムのモデルとなることが期待できる。
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研究実績の概要 |
酵母においてPib2がグルタミンと結合するグルタミンセンサーとして機能すること、さらにグルタミンによって活性化されたPib2はTORC1を直接活性化することを示し、細胞内窒素栄養を検知して代謝を制御する分子メカニズムの実体を明らかにした。 Pib2変異体の解析によりPib2のグルタミンセンシングに必要な領域、TORC1と結合する領域を同定し、さらにPib2の天然変性領域がPib2活性の微調整を担っていることを明らかにした。またPib2の活性化型変異体を単利し、その解析からPib2によるTORC1の活性化にはC末端の保存された領域が重要な役割を果たすことを見出した。 またTORC1の構成因子の一つであるKog1にPib2を融合したキメラタンパク質を酵母内で発現させることによりPib2-TORC1キメラタンパク質を精製することに成功した。この精製キメラTORC1が試験管内でグルタミンにより活性化することが確認できたため、現在この精製キメラの構造解析をクライオ電子顕微鏡により行っている。これによりPib2がグルタミンセンサーとしてどのようにグルタミンを検知しているのか、及びTORC1の活性化はどのようになされるのかの詳細を明らかにすることが期待できる。 さらに、植物FYVE1がPib2のオルソログとしてTORC1の上流でグルタミンを検知する可能性をみいだした。このことにより我々が明らかにしてきたグルタミンセンシング機構がアミノ酸独立栄養生物に保存された機構であることが示唆された。
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