研究課題/領域番号 |
20K06566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
渡辺 洋平 甲南大学, 理工学部, 教授 (40411839)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タンパク質 / 選択的分解 / 凝集体 / 脱凝集 / アミロイド |
研究開始時の研究の概要 |
任意のタンパク質の発現を制御する技術は、特定のタンパク質の機能や生体内での役割を調べる上で有用である。ゲノム編集による遺伝子破壊やRNAiによるmRNAの分解などの技術が知られているが、いずれもそれを適用できる細胞、遺伝子、タンパク質の種類や状態に制約があり、その制御の自由度にも限界がある。 私たちはこれまで、凝集したタンパク質をほぐして(脱凝集)再生することができる、分子シャペロンClpBの研究を行ってきた。本研究では、このClpBを母体として、任意のタンパク質やその凝集体を選択的にアンフォールドし、分解する、新たなシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
特定のタンパク質の役割を調べる上で、任意のタンパク質を選択的に分解する技術は有用である。既存の技術として、ユビキチン・プロテアソーム系に標的タンパク質を誘導する方法があるが、その適用範囲は限られる。本研究では、標的タンパク質を結合するナノボディー、結合したタンパク質をアンフォールドするClpBシャペロン、さらにそれを分解するLonプロテアーゼを融合させ、新たな選択的タンパク質分解システムの構築を目指した。本研究により、ClpBとLonのプロテアーゼドメインを機能を持った形で融合させることができた。一方でナノボディーの融合はタンパク質を不安定化させた。標的の認識に、他の方法を検討する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で作製を目指した、任意のタンパク質を選択的にアンフォールド・脱凝集・分解するT-ProUDシステムは、特定のタンパク質や、そのアミロイドの役割を調べるための強力なツールとなる。特に、単一のタンパク質で構成されている点、ユビキチン・プロテアソーム系のない原核生物や細胞外でも利用できる点、分解を伴わない凝集状態の制御を行える点は、既存の選択的タンパク質分解系にはない特徴である。本研究において、ClpBとLonのプロテアーゼドメインを機能を持った形で融合させることができたことで、T-ProUDシステムの完成に大きく近づいたと言える。
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