研究課題/領域番号 |
20K06578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
槇 亙介 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (30361570)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 蛋白質 / フォールディング / 複合体 / スタフィロコッカル・ヌクレアーゼ / リガンド結合 / スタフィロコッカル・ヌクレアーぜ / 蛋白質複合体 / 構造形成 / 速度論 |
研究開始時の研究の概要 |
蛋白質が他の蛋白質や低分子リガンドと結合することによって複合体をつくるとき、構造変化を伴うことが多い。低分子リガンド結合を伴う折れ畳みでは、反応においてリガンド結合と折れ畳みのどちらが先に起こるのかに着目して研究がなされてきた。しかし、現実の系では、リガンド結合するにつれて折れ畳みが起こる、その逆など、互いに影響を及ぼし合いながら反応が進むことが予想される。反応を引き起こすしくみから考えはじめ、反応の物理的な機構を明らかにし、反応の様子を描く新たな方法を探索する。
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研究成果の概要 |
溶媒条件を制御することにより、リガンド添加によって蛋白質のフォールディングを引き起こすことができることを示した。この手法をモデル蛋白質スタフィロコッカル・ヌクレアーゼ(SNase)に適用した。核磁気共鳴法を含む各種分光法、分子動力学シミュレーションおよびモデル計算によって、フォールディングに関わる分子種の構造・安定性を特徴づけた。リガンド濃度依存的に、Conformational selectionからInduced fittingへと主要な経路が移り変わっていった。さらに、反応推進駆動力の一つであるリガンドのふたつのリン酸基のフォールディング反応における役割を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蛋白質が構造変化を伴い複合体を形成する際に、リガンド結合と構造変化が起こる順序を調べた。広い範囲にわたる実験・計算機シミュレーションによる結果を踏まえて、モデル計算に基づいて、リガンド濃度に依存して反応経路が変化していくことが明らかになった。蛋白質複合体形成は神経変性疾患などと深い関連があることから、本研究の結果は蛋白質科学のみならず医学にも貢献し得るものである。
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