研究課題/領域番号 |
20K06583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 光二 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (50302526)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミオシン / 分子モーター / アクチン / シロイヌナズナ / 原形質流動 / 植物生理学 / アクティブマター / 束化 / モータータンパク質 / 植物 / ミシン / モーター蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
ミオシンXIとアクチン繊維との相互作用により植物細胞内の原形質流動が自律的に生じる可能性が示唆されているが,その分子機構については不明である。最近,研究代表者はシャジクモのミオシンXI-4, シロイヌナズナのミオシンXI-2は,それぞれ空間制御なし,空間制御下においてアクチン繊維と相互作用するだけで極性揃えて配向させることを発見した。本研究においては,通常の平板ガラス基板および植物細胞を模倣した3次元空間制御を施した基板を使ったin vitro 運動アッセイ解析,タンパク質変異実験,AFM,などにより,ミオシンXIが持つアクチン繊維を極性揃えて配向させる機能の分子レベルでの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
植物細胞は細胞内の物質拡散のため、原形質流動と呼ばれる「一方向性の細胞内の流れ」が起きている。原形質流動発生には、アクチン繊維が束化し、さらに一定の極性をもって配向することが鍵となる。最近の研究から、ミオシンXIとアクチン繊維との相互作用によって極性が揃ったアクチン繊維の束が自律的に形成されることが示唆されているが、その分子機構は不明であった。本研究により、1. ミオシンXIのN末端がアクチン繊維を束化する、2. アクチン繊維を一方向性に曲げることにより、極性を揃えたアクチン繊維束を形成する、との2つの方法で植物内でミオシンXIが極性の揃ったアクチン繊維束を形成することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物細胞内では、原形質流動と呼ばれる一方向性の流動が起きている。原形質流動は250年前に発見されていたが、どのような分子機構により流動が一方向性となるかは謎であった。本研究により、一方向性の流動には2つの分子機構が関わっていることが明らかになった。また、この2つの分子機構にかかわるミオシンXIの特異的な領域も明らかにした。どちらもミオシンXIとアクチン繊維の相互作用のみより誘起されるのが興味深い。本研究の成果は植物生理学のみならず、自律的構築を駆動するアクティブマターの分野においても意義のあるものである。
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