研究課題/領域番号 |
20K06586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
臼倉 治郎 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 名誉教授 (30143415)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アンルーフ法 / unroofing / 膜細胞骨格 / アクチン線維 / 細胞膜 / インフルエンザAウイルス / genom packaging / 電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / ゲノムパッケージング / 免疫フリーズエッチング電顕 / インフルエンザ / クライオ電子顕微鏡 / 細胞骨格 / インフルエンザウイルス / アクチン / フリーズエッチング / フリーズエッチング法 / 小胞体 / クライオ電顕 |
研究開始時の研究の概要 |
アンルーフ法は物理的に細胞膜を剥離し、細胞質を流出させ、細胞膜の細胞質側表面を露出させ、膜細胞骨格を観察するための前処理法である。超音波を利用する方法(Sonication unroofing)とAlcian blueで粘着処理したグリッドによる引き剥がし法(peel off unroofing)がある。本研究はアンルーフのメカニズムを解明し、効率の良いプロトコールを作り、原子間力顕微鏡(AFM)やクライオ電顕観察への応用を容易にすることと、この技術を次世代に引き継がせることである。
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研究成果の概要 |
本研究は細胞膜の細胞質側表面を露出させ、膜細胞骨格などを電顕やAFMで立体的に観察するための試料作製法であるアンルーフ法(unroofing method)の開発、改良と普及を目的としている。研究期間中に三つのアンルーフ法を開発改良し、誰でも使えるようにした。 A型インフルエンザ感染サイクルの視覚化にこの方法を用いた。複製されたゲノムを含むリボヌクレオタンパク(vRNP)は細胞膜の細胞質側表面に集積され、そこでホスト細胞膜細胞骨格アクチン線維の運動性を利用して、vRNPのパッケージングを行い、子孫ウイルスの形成を行うことが明らかになった(投稿中)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞膜は細胞の内外を隔てるだけでなく、内外の積極的な情報交換の場でもある。ウイルスなどの病原体もレセプターを介して、膜の飲食作用により取り込まれる。言わば生命現象の最前線でもある。細胞膜の細胞質側表面の構造を立体的に観察できるようなったことは学術的に極めて有意義なことである。また、我々の応用研究からA型インフルエンザの子孫ゲノムが細胞膜の細胞質側表面に集積し、そこでパッケージングされ子孫ウイルスとして排出されることが分かった。これはインフルエンザ感染症の対策や創薬にとって重要な知見であり、社会的にも重要な研究である。
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